丸紅が小型衛星打ち上げ事業に参画する理由とは

2020年4月14日、丸紅は、小型衛星の打ち上げ事業に参画するとプレスリリースで報じた。

丸紅と連携する企業は、創業者の堀江貴文氏で有名な日本のインターステラテクノロジズとイタリアのベンチャー企業D-Orbitだ。すでに2月25日には、業務提携に向けて契約関係を締結していたようだ。

インターステラテクノロジズ

インターステラテクノロジズは、ご存知の方も多いだろう。北海道の大樹町を拠点として、稲川 貴大氏CEOを中心に進めているロケットベンチャーだ。現状までに10億円規模の資金調達に成功している。MOMOという観測用ロケットの開発を実施しており、高度100kmの打ち上げに成功している。民間企業としてこの偉業を達成することは驚くべきものがある。また、ZEROという小型衛星打ち上げ用のロケットの打ち上げに向けて、開発を進めている。

D-Oribt

D-Oribt小型衛星放出システムの軌道輸送を行う、イタリアのベンチャー企業だ。2011年に設立され600億円の資金調達に成功している。

InOrbit NOWという独自技術を活用して、打上げに関するアレンジ業務や小型衛星の軌道投入サービスを行う。 InOribt NOWは、コンテナのような箱に整頓格納された小型衛星を所望の軌道に投入するというものだ。このInOrbit NOWをインターステラテクノロジズのZEROのフェアリング部分に搭載してロンチサービスを行う計画だろう。

ロケット打ち上げビジネスの流れ

この動きからもう一度過去の記事を思い出してほしい。ExoLaunchTriseptの動きに類似性を見てとてるだろう。今ロケットの打ち上げは、小型衛星を1、2機を小型ロケットで打ち上げる動きから、多数の小型衛星を小型衛星もしくは大型衛星で打ち上げる動きになってきている。この方が、コスト低減に繋がるのだ。
つまり衛星側から見ると、ビジネスを実施する上で、衛星は1、2機ではビジネス性はなく、複数のコンステレーションを形成する必要性が出てきているのも事実だ。

日本でも三井物産が、Spaceflightを買収し、多数の小型衛星を所望の軌道に投入するビジネスに本格参入したニュースが駆け巡ったばかりだ。

日本には他にもH3開発中の三菱重工業や、イプシロンロケットのIHI、そしてNewSpaceのSpaceOneなどロケット企業が存在する。果たして今後これらの企業はどのような動きを実施していくだろうか。楽しみだ。