宇宙ビジネスコート EoX=未来都市ナイト
宇宙ビジネスコート(一般財団法人宇宙システム開発利用推進機構が運営)は2018年度EoX=プログラムの開催を決定しました。
“EoX=”とは地球観測Earth observationデータに、さらなる価値Xを加えて、事業を未知の領域へとする意味が込められています。そのプログラムの中のトークイベントであるEoX=ナイトの第1回目EoX=未来都市ナイトに今回は参加してみました。テーマは未来都市(サイバーシティ)です。
2018年8月31日のイベントでは、まずオープニングとして、司会である宇宙ビジネスコートの持田氏よりEoX=プログラムフローの説明がありました。プログラムの特徴は「聞く」「話す」「考える」「作る」「仲間を集める」場になるということです。世界の宇宙市場が約33兆円ある中で、衛星データ利用のコアユーザ数は500人程しかいないので、宇宙利用分野の裾野を拡大していきたいようです。これからはITエンジニアのような異業種の方との連携にも力を注いでいくように感じます。衛星データ利用のもうかる話では、ハイパースペクトルセンサーの観測で露出した鉱物資源の分布を把握したり、衛星画像から世帯数や人口の推計をしてエリアマーケティングに活用している事例の紹介もありました。
講演では、株式会社トーラスの木村幹夫氏とスカパーJSAT株式会社の橋本英樹氏がそれぞれシングルトークをし、その後でクロストークをしました。
最初に木村幹夫氏が、「不動産テックのトップランナーである株式会社トーラスは不動産の登記簿を日本中から集めてデータ化しており、パナマ文書のようなものを作っている。」と伝えると聴衆の笑いを誘いました。「GIS(地理情報システム)の市場が10兆円あるのに地図情報のゼンリンの売上は年間500億位。顧客は地図が欲しいわけではない。」と高付加価値情報のニーズが大きいことが良く分かりました。
次に橋本英樹氏は、「20年前にIT、10年前にスマートフォンこれからはAI。何のために使うのかが最も大切だが、一つのツールとしては不可欠になっている。」と通信インフラ事業の未来やIoAについて主に語っていただきました。
クロストークでは、司会の持田氏が多様な質問を講演者の二人に投げかけながら、和気あいあいと進められました。トークの中で「米国ではオープンデータだけでも成果を出している。程度が悪くても、スピードを大事にしている。」といった点は特に私の印象に残り、日本人にとって必要不可欠の考え方ではないかなと思いました。トークの後はネットワーキングでさらに意見交換出来ましたので、宇宙ビジネスが身近に感じられるナイトになったはずです。