【宇宙ビジネス超入門】2023年9月の動向

はい、皆さん、こんにちは。Space Biz編集長の太田です。

お元気でしたか。

本日は、宇宙ビジネス超入門者向けに、宇宙ビジネス業界で2023年9月に起こった私の気になるトピックニュースを3つご紹介しますね。

月面着陸を目指すSLIMを載せたH-ⅡA47号機打ち上げ成功


©JAXA

9月上旬にJAXAと三菱重工業が開発した、H-ⅡAロケット47号機が種子島宇宙センターから打ち上げに成功しました。

搭載したXRISMはASTRO-Hひとみの後継機となるX線天文衛星で、SLIMの方は打ち上げから3~4カ月後に月の周回軌道に到達し、4~6カ月後に月面着陸する計画です。月面着陸に成功すると、米国,旧ソ連,中国,インドに次いで5カ国目となります。

目標地点に誤差100m以内での高精度のピンポイント着陸を目指しています。また、月面調査で取得したデータはアルテミス計画にも活用される可能性があります。

HIS、Space Perspectiveに出資し日本での独占販売権獲得


©HIS/Space Perspective, Inc.

9月中旬にHISの米国現地法人は、気球型宇宙船で成層圏宇宙旅行を提供するSpace PerspectiveのSAFE型新株予約権の発行による出資をしたと発表しました。

成層圏宇宙旅行は既に1650名を超えるお客さまに販売されており、2023年中にテスト飛行を実施し、2024年後半に商業飛行開始を予定しています。

日本国内ではHISの子会社であるクオリタが販売しており、既に数十名の予約があるようです。HISは気球型宇宙船Space Neptuneの日本市場における3年間の独占販売権と海外在住の日本人への販売権も獲得しております。


©HIS/Space Perspective, Inc.

NASA、小惑星ベンヌのサンプルを回収


©NASA

9月下旬にNASAの小惑星探査機『オシリス・レックス』は小惑星ベンヌから採取したサンプルを地球に持ち帰りました。『オシリス・レックス』は、2016年に打ち上げられ、2018年にベンヌの軌道に入り、2020年にはサンプルを採取していました。

小惑星からのサンプルリターンは、2010年の日本の『はやぶさ』による小惑星イトカワのサンプル、2020年の『はやぶさ2』による小惑星リュウグウのサンプルに続き、世界で3例目になります。サンプルの質量は約250gで、『はやぶさ2』が持ち帰った約5gを大幅に上回っています。

まとめ

まとめとして、9月の動向は、

日本の月面着陸成功への期待
成層圏宇宙旅行の商業化間近
米国のサンプルリターン成功

といったところでしょうか。

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