【宇宙ビジネス編集長の2023年時事ネタ放談⑪】ispace、月保険で保険金37億9300万円受領?!
はい、皆さん、こんにちは。Space Biz編集長の太田です。いかがお過ごしでしょうか。
編集長の時事ネタ放談は、私の気になる時事ネタを独り言のようにつぶやくコーナーです。
今回の時事ネタは「ispace、月保険で保険金37億9300万円受領?!」です。
©ispace
8月18日に株式会社ispace(以下、ispace)は、ミッション1で月面着陸出来なかった為、三井住友海上火災保険株式会社(以下、三井住友海上)から月保険契約に基づき、保険金37億9300万を受領したと発表しました。
ミッション1を補足説明すると、ispaceがスペースXのファルコン9を使って打ち上げ、独自開発したランダー(月着陸船)によって実施する、同社初の月面着陸ミッションになります。
今年4月に民間企業では初となる月面着陸を目指しておりましたが、ソフトウェアの原因で軟着陸出来なかったんです。昨年10月に三井住友海上は、ispaceと打ち上げから月面着陸までを補償する世界初の月保険を共同開発したと発表していました。
月保険の概要をお伝えすると、地上では損害箇所を目視することは出来ますけど、宇宙および月面では損害を目視することは出来ません。そこで月保険は、ランダー(月着陸船)から発信される様々なデータを地上で受信し、ランダー(月着陸船)の状態を確認します。データが受信出来ない場合やデータに異常値が見られた場合など、予定していた月面航行や着陸が達成出来ない場合などに保険金をお支払いするんです。
今回、受領した保険金の収益科目は協議中で、2024年3月期の業績への影響が明らかになった段階で公表するようです。
先行投資がかさむベンチャー企業に、保険がお役立ちした事例かと思います。
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