【宇宙ビジネス超入門~2023年号外ニュース⑯~】日本政府、初めての宇宙安全保障構想を決定!
はい、皆さん、こんにちは。Space Biz編集長の太田です。いかがお過ごしでしょうか。宇宙ビジネス超入門者向けに、世界や日本で起こった宇宙ビジネスのトピックニュースを1つご紹介します。
号外ニュースになるんですけど、本日は「日本政府、初めての宇宙安全保障構想を決定!」について述べますね。
日本政府、初めての宇宙安全保障構想を決定!
©内閣官房内閣広報室
6月13日に日本政府は昨年12月策定した国家安全保障戦略に基づく、初めての宇宙安全保障構想を決定しました。
今後10年の目標として、防衛目的の宇宙利用を拡大していくようです。目標を達成するためのアプローチは主に3つあります。
第1のアプローチは宇宙からの安全保障です。ミサイル防衛への対応として、衛星コンステレーションや情報収集衛星等による情報収集、安全保障用通信衛星の多様化、衛星測位機能の強化などにより宇宙システムから得られる広域、高精度の情報を高頻度、高速で有機的かつ効率的に活用します。
第2のアプローチは宇宙における安全保障です。宇宙空間における衛星破壊能力やスペースデブリなどの脅威・リスクの拡大に対応するため、宇宙領域把握(Space Domain Awareness),軌道上サービスを活用した衛星のライフサイクル管理,不測の事態における政府の意思決定・対応,国際的な規範・ルール作りへの主体的な貢献など、宇宙システムの安全かつ安定的な利用を確保していきます。
第3のアプローチは安全保障と宇宙産業の発展の好循環の実現です。民間の宇宙技術の安全保障分野への活用が国内宇宙産業の発展を促し、それが日本の防衛力の強化にも繋がる好循環を実現していきます。尚、宇宙政策を担当する高市科学技術政策担当大臣は「ロシアとウクライナでも、双方が通信の継続や画像情報の取得のために衛星を活用しており、宇宙利用が安全保障能力のために必要不可欠だ。」と述べています。
国際情勢や周辺国を見渡すと、日本も本格的に防衛強化に乗り出す時期が近付いていると感じますね。