人間の目に見えないものも見ることができる地球観測データ

Space Biz > Space Biz TV > コラム > 人間の目に見えないものも見ることができる地球観測データ
Pocket

2019.2.15コラム

人間の目に見えないものも見ることができる地球観測データ

現在、数多くの地球観測衛星と呼ばれる人工衛星が宇宙から地上の様子を観ています。
毎日の天気予報でおなじみの気象衛星もそのひとつです。

■ものの反射や放射

地球上のあらゆる物質は、人間の目で見ることができる光(可視光線)や人間の目には見えない赤外線、紫外線、電波などを受けると、物質の形、種類や気体・液体・個体といったその状態によって、固有の反射や放射の強さがあります。下図は、水、植物、土壌の例です。

■衛星センサの特徴と目的

地球観測衛星には、雲の状態、海面の温度、船の監視、災害監視、資源監視や二酸化炭素の量や大気の状態など様々な物質の強さや特性に合わせたセンサが搭載されています。そして、人工衛星による観測は、広い範囲を一度に見渡すことができるので、地球上のいろんな地域の土地利用状況、緑の分布の違い、砂漠化などの地球環境や遺跡、造形物の形や大きさ等を知ることが出来ます。下の画像は、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」が観測した二酸化炭素濃度の分布を解析したものです。「いぶき」は、地球温暖化や気候変動の科学的な理解を深めて、温暖化対策に貢献することを目的にしています。

 
更に、人間の目で見ることができない温度などを知ることができるので、海面の温度などの情報も観測することが出来ます。下の画像は、米国NASAの地球観測衛星“TERRA”に搭載された日本の資源探査観測センサによる大分県と愛媛県との間にある豊後水道の様子を解析したものです。青色系が濃いほど低い温度を、赤色系が濃いほど高い温度を示しています。

■まとめ

地球観測データは、国内の保険会社の天候デリバティブという保険サービスや三次元データとして都市開発計画への活用等、新たなサービスに使われています。今、地球観測データのオープン&フリー化が加速しています。これから益々、地上の様々なデータを組み合わせて、地球の環境維持や新たなサービスが生まれることでしょう。

関連記事

ニュース&イベント

  • ニュース

    宇宙ビジネス関連の最新ニュースを発信中!

  • イベント

    宇宙ビジネス関連の最新イベント情報を発信中!

youtube

チャンネル登録はこちらから

新着記事