【宇宙ビジネス超入門】2022年8月の動向
はい、皆さん、こんにちは。Space Biz編集長の太田です。
お元気でしたか。
本日は、宇宙ビジネス超入門者向けに、宇宙ビジネス業界で2022年8月に起こった私の気になるトピックニュースを3つご紹介します。
韓国、初の月探査機『タヌリ』を打ち上げ成功
8月上旬に韓国初の月探査機『タヌリ』が米フロリダ州ケープカナベラル宇宙軍基地からスペースXのロケット『ファルコン9』で打ち上げられました。
打ち上げは成功し、地上との交信も行われたようです。順調にいけば、今年12月頃に月上空約100キロに位置する目標軌道に到達して、月を周回する予定となっています。
月周回の期間は1年を予定していて、月面の測定,資源の調査,宇宙インターネットの通信実験などを行います。
月探査までの任務を成功させれば、日本,米国,ロシア,欧州連合,中国,インドに続き7番目となります。宇宙開発加速ですね。
ロシア、イランの人工衛星を打ち上げウクライナで利用の疑い
8月上旬にロシア国営ロスコスモス社は、イランの人工衛星ハイアームをロシアのソユーズロケットで、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げ軌道に乗せたと発表しました。
今回の人工衛星の打ち上げにより、ロシアのウクライナへの偵察能力が高まりますし、イランの方もイスラエルをはじめ中東諸国への軍事目標監視で前例のない能力を獲得するなど米政府関係者は懸念しているようです。
ただ、イランは人工衛星からのデータは暗号化され、他国はアクセス出来ないと反論し、初日からイラン管理下で農業生産性の向上や自然災害の監視などに活用すると主張しています。世界の二極化が進みそうですね。
米商務省、中国の航空宇宙7団体に禁輸措置
8月下旬に米商務省は、中国の航空宇宙関連の7団体、6つの研究機関と企業1社をエンティティ・リスト(EL)に追加すると発表しました。
7団体の方は、中国航天科技集団(CASC),中国空間技術研究院(CAST),中国電子科技集団(CETC)などの研究所になります。
エンティティ・リストとは、安保上の懸念がある外国企業を並べたものなんです。
米商務省によると、エンティティ・リストに指定された中国の団体・企業は約600あり、そのうち110超はバイデン政権が追加しています。
申請は原則却下されるので、貿易制裁で最も厳しい措置ですね。
まとめ
まとめとして、8月の動向は、
韓国の月探査への挑戦
イランの人工衛星で世界の対立と二極化
米国が中国の航空宇宙団体に貿易制裁
といったところでしょうか。
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