【宇宙ビジネス編集長の2022年時事ネタ放談㉗】三菱電機、宇宙空間で3Dプリンターを使って衛星アンテナを製造?!

はい、皆さん、こんにちは。Space Biz編集長の太田です。いかがお過ごしでしょうか。

編集長の時事ネタ放談は、私の気になる時事ネタを独り言のようにつぶやくコーナーです。

今回の時事ネタは「三菱電機、宇宙空間で3Dプリンターを使って衛星アンテナを製造?!」です。

3Dプリンターを使い宇宙空間で衛星アンテナを製造

5月17日に三菱電機株式会社は、宇宙空間において3Dプリンターで人工衛星アンテナを製造する技術を開発したと発表しました。

3Dプリンターによる小型人工衛星でのアンテナ製造開始から運用状態までのイメージ図は、こんな感じになります。


©三菱電機

これまでの人工衛星のアンテナは、打ち上げロケットのフェアリング(流線形の覆い)サイズや人工衛星のサイズの制約を受けて、あらかじめ格納可能な大きさで整形しておくか、折り畳んで格納して人工衛星軌道上で展開していたんです。

また、打ち上げ時や軌道投入時の振動や衝撃に耐えられるようにする構造も必要だったんですよね。

今回、3Dプリンターと、真空中で適切な粘度を持ち紫外線による硬化安定性を持つように配合した紫外線硬化樹脂を開発することで、サポート材が不要なフリーフォーム3D積層造形が真空中で可能になりました。

この技術は、真空中でも安定性を持った新開発の樹脂を3Dプリンターで押出成形し、太陽光の紫外線で硬化させることで、宇宙空間において構造物を低消費電力で製造するものなんです。

これにより、数十センチサイズの小型人工衛星でも、開口の大きなアンテナの搭載が可能となり、また軽量化やコスト低減にも繋がりますので、用途拡大に寄与していきそうですね。

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