日本ものづくりワールド2019「特別講演 3Dプリント技術の最前線」

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2019.2.11セミナー

日本ものづくりワールド2019「特別講演 3Dプリント技術の最前線」

2019年2月6日~8日に東京ビックサイトで「日本ものづくりワールド2019」が開催されました。
今回、6日に行われた「特別講演 3Dプリント技術の最前線」というセミナーに参加しました。
すでに3Dプリンタで作成した部品を使ったロケットが打ち上げられたりもしており、3Dプリンタの技術は、宇宙ビジネスにも密接にかかわっています。
本セミナーは、アディティブ(付加製造、金属3Dプリンティング)のマーケットをけん引する企業の3名が業界のいまとこれからについて話しました。

■セミナーのテーマと講師

1:金属3Dプリンタ成功の秘訣「アディティブ・マインドセット」
GE Additive 日本統括責任者 トーマス・パン氏

2:加速するアディティブファクトリー
株式会社スリーディー・システムズ・ジャパン
代表取締役 兼 3Dプリンタ事業部長 織田 源太氏

3:3Dプリンタがもたらす「製造革命」
Stratasys Ltd. 製品担当エグゼクティブ・ヴァイスプレジデント オメール・クリーガー氏

■金属3Dプリンタ成功の秘訣「アディティブ・マインドセット」


 
GE Additive 日本統括責任者 トーマス・パン氏による講演です。
冒頭に、アディティブのマーケットは、今後急速な成長が見込まれ2027年度のアディティブ市場は現在の1.5兆円から約6兆円まで拡大する見込があることを強調されました。

しかし、日本における課題として、企業に3Dプリンティングの効果が伝わっていないことをあげています。
3Dプリンティングの効果を調査した結果では、「ビジネスにプラスと考えている」と回答した企業は、世界の63%に対して、日本は36%と約半分に近い数値でした。
より成功事例を増やし、3Dプリンタを使えば、新しいことができるという意識を広めていくことが重要であると説明しています。

次に、アディティブ製造(金属3Dプリンタ)を活用した時の特徴や効果を下記のように簡潔にまとめ、導入のメリットを強調されました。
・より迅速な製品開発
・画期的な製品・パフォーマンス
・高機能な素材作成
・形状の自由度が高い
・製品寿命、耐久性の向上
・大きなサプライチェーン効果

アディティブ製造が実際に導入されている事例として、ジェットエンジンの燃料ノズルの例をあげています。
GE社で制作した燃料ノズルは、すでにエアバスなど300機以上の航空機に採用されているそうです。
燃料ノズルをアディティブ製造で作成することには、従来の製造と比べ多くのメリットがあります。
パーツ点数を20点から1点に減らしたこと、コスト効率が30%増加、重量を25%削減、在庫を95%削減、靭性向上など具体的な数値をあげています。
さらに、アディティブの技術は様々な業界に応用できるとしています。
例として、自動車、医療、衛生、ロケット、航空機エンジンアビエーションなど、すでに多くの業界で実用化に至っていることを伝えています。

また、アディティブを導入し活用していくためのハードルも説明しています。
導入すれば何でもできるということではなく、きちんと活用していくためのハードルがあり、社活用する企業がハードルを理解しノウハウを蓄積していくことが重要としています。特に、それを作ることで何ができるのか、どうやって販売していくのか等、ビジネスの採算性が大事だとしています。

アディティブはあくまでもツールとして、装置の導入をするだけでなく、活用のマインドがもっとも必要だとしています。GE社では、3Dプリンタで作成したサンプルやノウハウを伝える施設をドイツに作り、必要な活用マインドも広げていこうとしています。

■加速するアディティブファクトリー


 
株式会社スリーディー・システムズ・ジャパン代表取締役 兼 3Dプリンタ事業部長 織田 源太氏による講演です。
3Dプリンタの技術は、様々な工業用途に活用されるようになっていることを前提に、デジタルで作るメリットをあげています。メリットとしては、たくさんあげられますが何よりもシミュレーションできることがポイントで、それによって経済性のメリットが出せることを強調されました。

そして、今までできなかったことに挑むときに活用できる技術だとし、次の4つのポイントを向上させたいと思っている企業は、検討する価値があるとしています。
 
・生産性(プリンタの進化によって、さまざまなニーズに対応できるようになっている)
・耐久性(数百ものマテリアルがあり、耐久性、耐熱性などニーズに応える素材が増えている)
・再現性(同じものを簡単に作るには、デジタル化が必須である)
・操業コスト(プリンタ自体のオート操作や、プリンタ以外の機器と合わせて使うことも可能な機器の開発)

最後に、メーカーとして、エコシステムというは製品デザインショップから、工場の現場、オペレーティングルームなど、フロー全体のサポートを提供するとしています。お客さんを中心に、メーカーとして持てる技術をすべて使いサポートしていく企業であることを伝えていました。

■3Dプリンタがもたらす「製造革命」


 
Stratasys Ltd. 製品担当エグゼクティブ・ヴァイスプレジデント オメール・クリーガー氏による講演です。
世界シェアNo.1の3Dプリントソリューション・プロバイダーとして、3Dプリンタがもたらす「製造革命」について、欧米での最新事例を紹介されました。

・エアバス(キャビンアテンダントの座席など多くのものに使われている)
・防衛産業(アメリカ空軍が使用する航空機の部品、すでに製造されていない部品などの作成可能)
・鉄道(列車の部品にも活用されています。部品パーツを減らし、製造時間も短縮などにも役立っている)

3Dプリンタを活用するメリットとして大きく5つを上げています。
・耐久性向上
・製造コスト
・少量生産
・在庫のカット
・複雑性からの解放(パーツの削減や同じものを簡単につくれる)

3Dプリント技術の精度とスピードの向上や、造形材料、ソフトウェアなど様々な開発が進んでいます。
欧米では、従来の試作用途から、治工具や最終製品という生産に関わる用途まで3Dプリントの活用が広がっている業界もあります。
実験的な活用の段階にある業界もまだ多いが、今後10年前後でさらに拡大していき「製造革命」が加速していくとしています。

■まとめ

今回講演された3名とも、3Dプリンタは、いままでできなかったことを可能にする技術であるとしています。
単純なコストカットなどの効率化だけでなく、新しいサービスや商品をうみだせる可能性があります。
そして、3Dプリンタを活用する方々が、既存の発想にとらわれずに、よりよくしていくことを考えていくことで、大きなイノベーションを実現する技術と言えそうです。
 

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