【若田光一宇宙飛行士の英語勉強法~総論編~】宇宙ビジネス編集長太田裕二×教育家石橋勇輝の対談

対談動画

 

対談

編集長「はい、皆さん、こんにちは。Space Biz編集長の太田です。対談の相手は、教育家のいっしーです。宜しくお願いします。いっしー、今回は若田光一宇宙飛行士の英語勉強法~総論編~になります。」

いっしー「おー、英語勉強法というと、新しいコーナーですか。」

編集長「新しいコーナーですね。今、13年ぶりに宇宙飛行士の応募受付がありましたけど、やはり宇宙飛行士の英語勉強法って気になるよね。」

いっしー「そうですね。具体的にどんな形で勉強しているのか。」

編集長「実は私、生で若田宇宙飛行士の英語を聞いたことがあるんですけど、ハイレベル過ぎて驚きました。」

いっしー「そうですね。ほとんどネイティブと変わらないですね。」

編集長「変わらないレベルだよね。聞いていてこれ凄い英語力だなと思ったんですよね。ですから、英語が苦手な私だと全く信用がないので、英検1級を持っている、いっしーに今日は思う存分語ってもらおうかなと思っています。では、どうぞ!」

いっしー「私に語る資格があるのか分からないですけど。若田光一さん自身がですね、元々はそんなに英語が達者だったわけではないんですよね。駐在の経験もなかったりとか、宇宙飛行士になってから勉強をし始めるという。そういった意味で、どうやって英語を習得していったのか、勉強になりますね。私自身、若田さんのインタビューを見て考えたところはですね、通常の学習する英語の勉強の仕方とは少し違う、宇宙飛行士になるための英語っていうのは、いくつかポイントがあると思うので、それについて少しお話させていただきたいと思います。

まず一つはですね、宇宙工学の専門用語、航空業界の専門用語もありますね。ビジネス的な専門用語もありますし、宇宙ステーションに関する略語とか全部でローマ字三文字に略したりするので。その辺りが専門用語系であるのかなと。
 
あとですね、英語のジョークを理解する力、これも大きいのかなと思いますね。ざっくりまとめると、宇宙飛行士の英語っていうのは、専門知識とジョークを理解する力、この二つが大事かなと。」

編集長「簡単に二つにまとめると、専門用語とジョークなんだね。これは面白い視点だね。」

いっしー「そうですね。中々、普通の英検をとると、理解出来ないところかなと。ただ、実際に宇宙工学の専門用語といっても、数としては千、二千、多くてそれ位なので、プラスアルファで単語帳を1冊ものにすれば、それなりに理解出来るところはあるのかなと思います。航空業界の専門用語にしても、例えば日本で経済新聞とか読むのと同じ位の語彙数だと思うので、日常的にそういった情報に接していれば、自然と身に付いてくるところはあるのかなと思いますね。」

編集長「確かに専門紙とかも読んでいると、何となく分かってくるよね。日本語だけど。それが英語でも、何となく分かってくるのかもね。」

いっしー「意外に専門用語って、語学と関係ないところが強いのかなと思っていて。後程、お話するんですけど、ロシア語を習得するのも、それほど難しくなかったと若田さんがおっしゃっていますね。その理由は、おそらく専門用語って共通している部分があるので、ハードルが意外に低いのかなと感じました。」

編集長「いっしーはロシア語はどう?」

いっしー「ロシア語はほんとにかじった程度なので分からないんですけど。言語としての難易度は少し高いのかなと思いますね。」

編集長「ドイツ語も結構話せるでしょ。」

いっしー「ドイツ語とちょっと似ているところがありますね。変化の仕方とか。」

編集長「ロシア語も今後聞かせてくださいね。」

いっしー「はい。ただ、やっぱり難しいのは、一番ジョークのところですね。宇宙飛行士っていうのは、極限環境に置かれるので、ほんとに究極のプレッシャー、重圧。ほんとに自分がミスをしたら、命を失うかもしれないというような重圧下。また、毎日、監視されているような環境において、精神を健全に保つためにはジョークが必要不可欠であるんです。そういったものを理解していく力っていうのは、異文化を理解していく力であったりとか、いろんなコミュニケーションスキルを求められる総合力的なところがあるので、ある意味そこが一番身に付けるのが難しいところかなと思いますね。」

編集長「特にね、日本人は一番ジョーク言わないでしょ。世界の国民でジョークも言わないし、生真面目なところがあるからね。そこがコミュニケーション不足になっちゃうんだよね。」

いっしー「そうですね。逆にそういう日本人なのに、仏頂面でジョークを言えるのもキャラクターとして面白いのかなと。」

編集長「それは面白いかもしれないね。」

いっしー「客観的に分析すると、おそらく、こういったところが宇宙飛行士の英語として必要なのかなと思うんですけど。具体的な勉強法もちょっとお話していきたいと思ってまして。

若田宇宙飛行士が自分自身の英語の勉強の仕方を語っているのは多くはないんですけど、一部から判断するとどんな形で勉強されていたのかなという一旦をお話すると、実際に現地の方々が訓練の時にしゃべっている内容とかをそのまま録音していて、それをいつでもヘッドホン、イヤホンで聞いているみたいな感じでシャドーイングをして、とにかく徹底して録音した音声を聞くっていうのを繰り返していたらしいんですね。

凄くオーソドックスなやり方なのかなと思うんですけど。私達が活かせるとしたら、そのネイティブのスピードのまま聞くっていうのが大事なのかなと思っていて、最近ですとYouTubeですとかポッドキャストとかで、生の英語の音声に触れる機会というのが多いと思うので、自分が一番主体的に聞けるものを聞くと良いですね。聞き流すだけだとあまり定着ってしないので。

ビジネスマンで英語勉強法の本を出されている方のを読んだりするんですけど、そこに書いてあるのも現地で仕事するってなると頑張れるとか、そういったモチベーションが書かれていることが多いので。現地に行けば一番はやいっていうのは簡単なんですけど、日本においてもそういった環境をつくるのは努力次第で出来るのかなと思いますね。」

編集長「確かにそうかもしれないね。自分達でそういった追い込まれる環境をつくっていけば、やらざるおえないから。上達するかもしれないね。」

いっしー「あと、もう一つですね、論点としては若田さんに勉強法としては、宇宙飛行士って縁遠い職業だと思うんですけど、私達が日常生活で英語を使う時に役立つとすれば伝える技術っていうのが参考になるのかなと思いますね。例えば、宇宙飛行士だと操作する時に操作の手順を伝え間違ったらヤバイってことで、仕事をする時に手順を説明する時に3CというのがあってClear,Concise,Correctの3つですね。明確に正確に間違いがないようにというところを意識して。論文とかを執筆する時はそういったところを意識するんですけど。そこら辺を普段の伝達の時にもイメージしていくと仕事が出来る、はかどる英語力が身に付くのかなと思います。」

編集長「宇宙飛行士の仕事術みたいな対談出来るかもしれないね。どっかでね。」

いっしー「宇宙飛行士の仕事術は今後の社会に凄く重要になると思いますね。一人ではなくてチームワークなので。」

編集長「そうか。一人で出来るんじゃ全く意味ないもんね。チームワークで動かすから。一般の会社組織でも絶対必要な能力になるよね。」

いっしー「そういった意味で宇宙飛行士の仕事っていうのは模範的というか。」

編集長「危機対応能力とかね。そういったのを含まれるからね。」

いっしー「私の方としては、そんな形でしょうかね。」

編集長「でもね。今回は宇宙飛行士を目指す方にとっても、英語の資格を取得したい方にとっても、参考になることが多かったんじゃないかなと思いますね。さすが教育家だね。」

いっしー「いえいえ、ありがとうございます。」

編集長「総論編1回だけでと、いっしーもまだまだ言い足りないでしょ。」

いっしー「そうですね。」

編集長「専門用語攻略法とかジョーク攻略法など各論も何回かやってみない?」

いっしー「そうですね。是非。」

編集長「やってみたら、面白いよね。次回は各論に入りますので、より深くお話出来ればと思いますね。」

いっしー「楽しんでいただければと思います。」

編集長「では、次回もお楽しみに。バイバイ。」

いっしー「バイバイ。」

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