【おすすめ宇宙映画を語る~ガガーリン 世界を変えた108分編~】宇宙ビジネス編集長太田裕二×映画脚本家石橋勇輝の対談
対談動画
冒頭
編集長「はい、皆さん、こんにちは。Space Biz編集長の太田です。対談の相手は、お馴染みのいっしーです。宜しくお願いします。いっしー、今回はこちら、ガガーリン 世界を変えた108分という映画なんですよ。」
いっしー「ガガーリンといえば、『地球は青かった』というセリフで有名ですね。」
編集長「有名ですよね。2013年にロシアで制作され、2014年に日本でも公開されたユーリ・ガガーリン生誕80周年記念の伝記映画なんですよね。」
いっしー「かなり忠実な伝記映画ですよね。」
編集長「1961年4月12日に人類初の有人宇宙飛行を成し遂げた英雄ですね。また、搭乗した宇宙船のボストーク1号の方も有名ですかね。そっちの方が良く知られているかもしれないね。」
いっしー「確かにガガーリンその人については意外に知られていないかもしれませんね。」
編集長「今回も3つ位に論点を絞って語ってもらおうかなと思います。では、いっしー、早速、1つ目の論点はどうですか。」
論点1:ロシアにとっての英雄ガガーリンの生涯を、ロシア人が映画化
いっしー「私自身、ガガーリンっていうのは、宇宙開発の歴史で凄く有名だと思うんですけど、ガガーリンって存在がロシア人にとってどういう風に見えているのかっていうのが良く分かる作品なのかなと思います。ほんとにストレートな英雄賛美が楽しめるもので、ここまでガガーリンって人間を理想的に描いている映画っていうのはないのかなと思いますね。
逆にそれを退屈に感じる方もいるかもしれないですけど。そういった意味では、ストレートなロシア人にとっての憧れの存在であるガガーリンを丁寧に描いている作品なのかなと思います。ガガーリンさんはスピーチも有名だと思うんですけど、やっぱり一人の人間としてではなく、ほんとに全ソ連もしくは全人類の代表として宇宙に飛び立ったというところが、凄く格好いい存在なのかなと思います。」
編集長「映画の題名にもなっているけど、宇宙空間での全飛行時間はわずか108分だったんですよね。2時間ないんですよね。でも、旧ソ連だけでなく、世界中を興奮の渦に巻き込んだよね。」
いっしー「ロシア人の熱狂するシーンというのが印象的で。」
編集長「当時の夢だったんでしょうけど、いっしー、現在の人類の夢ってなんだろうね。」
いっしー「やっぱり、宇宙に出ていく夢はまだ叶ってませんからね。」
編集長「民間人として行くっていうのも、一つの夢かもしれないね。」
いっしー「民間人が誰でも行けるっていうのも夢だと思いますね。」
論点2:過酷な訓練・宇宙飛行士の間の友情・家族への愛情
編集長「ではね、2つ目の論点はどうですか。」
いっしー「こちらの映画ですね、当時の宇宙開発の様子がどんな水準だったのか良く分かる映画だと思いますね。例えば、無重力の訓練をするためにも特別な施設や機械があるわけではなくて、揺りかごのような装置で無重力状態を再現したりですね。あと、ガガーリン自身が宇宙に行くときに無重力でそもそも人間がどうなるのか分からない、予測が出来ない、もしかしたら存在出来ないかもしれない。そうなったら、君は死ぬだけだみたいに通告されるシーンがあると思うんですけど。ほんとに何も分からない手探りの状態で、しかもチームじゃなくて一人で宇宙に行くっていうその精神的重圧に耐えるガガーリンの姿が印象的ですよね。
もう一人の宇宙に行くかもしれなかったゲルマンさんっていう方との友情が描かれているんですけど、この二人の掛け合いというか、自分は宇宙に行けないけど頑張れみたいな熱い友情が描かれているのが印象的だったのかなと思いますね。」
編集長「いっしーが言ったように一人で行ったというのが凄いのかもしれない。一人で全部やらないといけないというのがね。ガガーリンさんが一人で行ったっていうのは意外にしらないかもしれないね。今、宇宙飛行士って、みんなで行くからね。」
いっしー「確かにそうですね。アポロ13の映画もあったと思うんですけど、あれでもチームで帰ってきてますから。一人でやるっていうのは凄いですね。」
編集長「一人の英雄が出て来るのに、本人の努力だけでなく、やはり家族の愛情や良き友の友情など周りの支えがあってこそ、成し遂げられたのかな。」
いっしー「偉大なる一人を送り出すために。」
編集長「もう一つがね、ただ、残念ながら、夢を叶えた後は34歳の若さで亡くなってしまったんですよね。運命の方は悲劇となってしまったという人間ドラマとなっていますよね。」
いっしー「そこも上手く描かれていますよね。」
論点3:ガガーリンのその後から考える、ソ連の問題点
編集長「では、3つ目の論点はどうですか。」
いっしー「先程の最後の論点に繋がるんですけど、やはりガガーリンさんの晩年は少し悲惨だったというか。ソ連というものが抱えている問題点を感じさせる映画だったのかなと思っていてですね。ソ連にとっては、ガガーリンっていうのは凄い人ではあるんですけど、一つの道具にしかすぎなかったという感じですよね。なので、大いなる目的のために奉仕するっていうのは、一人の人間としては素晴らしい行為だと思うんですけど、それが国全体として人々にそれを求めるのは民主的ではない。民主主義ではなかったので、そうだと思うんですけど。
そういった問題点も凄く感じさせる、ソ連の問題点とソ連だからこそ成し遂げられたものを描いた映画なのかなと思いますね。ガガーリンとしては尊敬出来るんですけど、そこについては少し問題点があるかなと。」
編集長「でも、ほんと夢を叶えることは大事だけど、その後の人生で自由を失うのは嫌ですね。」
いっしー「韓国の大統領が大統領降りた後、逮捕されるみたいな感じかもしれないですね。」
編集長「宇宙飛行士として、これだけ国家としてお金を使ったからという暗黙のうちにプレッシャーになっているところがあるよね。」
いっしー「物凄い重圧でしょうね。三千人の候補者の中から一人選ばれるわけですし。」
編集長「旧ソ連、ロシアと国家主導の体制は変わっていませんが、ロシア文学やオペラ,バレエなど芸術の分野から個人の煌めきが発揮されると嬉しいですね。」
いっしー「確かにロシア人は旧ソ連の圧政下においても、凄い音楽を生み出したりとか芸術性が豊かな国だなと感じますよね。」
編集長「僕の知り合いというか仲の良い友達で詩人がいるんですよ。彼がいろいろと研究したら、国家において圧力っていうのかな、圧制があるところ程、詩としては美しいものが出て来ると言っていたことがあって。面白いなと思いましたね。」
いっしー「じゃ、現代においても、そういった可能性があるということですね。」
編集長「あるっていうことですね。」
論点3:まとめ
編集長「ガガーリン氏のように人類への多大なる責任や重圧は、我々今のところ感じてはいませんけど、Space Bizも宇宙への道を切り開いたと言われるように頑張っていきたいですね。」
いっしー「そうですね。皆さんと一緒に。」
編集長「では、次回もお楽しみに。バイバイ。」
いっしー「バイバイ。」
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