第1回スマート宇宙機器システムシンポジウム(研究会)
2019年1月22日に第1回スマート宇宙機器システムシンポジウム(研究会)が開催されました。スマート宇宙機器システムシンポジウム(研究会)は、新宇宙産業を創出するスマート宇宙機器・システムの研究開発拠点の事業の一つとして、新規宇宙プロジェクトの創出支援と産学ネットワーク形成を目指し、ユーザーとの将来利用要求、設計仕様の検討、国際情勢調査・将来動向検討等について、幅広く意見交換することを目的としております。
シンポジウム(研究会)には、セッション1.スマート宇宙機器システム事業の計画概要,セッション2.超小型衛星の国際動向調査報告,セッション3.宇宙利用ビジネスの展開,セッション4.討論会(登壇者+参加者)の4つのセッションがありました。
セッション1は、東京工業大学の松永三郎氏が「全体概要とひばり衛星プロジェクト」を説明しました。概要は①スマート宇宙機器等の実用化研究等②可変形状機能超小型衛星システム等のスマート宇宙システムの設計・開発・評価等③試験運用設備の利用サービスの提供等④新規宇宙プロジェクト創出支援と産学ネットワーク形成等⑤若手研究者等の育成等です。大学の役割は、ClassicalSpace=ModernSpace?の立場で、新しい芽を創出することでまとめとしました。
セッション2は、シー・エス・ピー・ジャパン株式会社の金岡充晃氏が「超小型衛星の最新国際動向」について報告されました。2018年の小型衛星トピック,衛星産業の業態変化(工芸品から量産へ),キット化・標準化・ユニットが進むCubesat,各国の超小型衛星戦略,宇宙投資の現状,世界の小型衛星関連の部品メーカー価格帯,欧州標準規格の動向,NASA-GEVS認定試験基準等グローバルな視点での情報提供でした。
セッション3は、三菱電機株式会社の関根功治氏が「通信・測位・観測衛星のマーケットとビジネス展開」,株式会社アクセルスペースの宮下直己氏が「超小型衛星群による新しい地球観測インフラの構築」,ウミトロン株式会社の藤原謙氏が「宇宙技術の社会実装に向けて考えたこと」について話されました。藤原謙氏の「面白いビジネスのマーケットは大きい。」「宇宙の魅力を最大限に活用する。」「次の世代がやりたがる仕事。」などの考えは宇宙ビジネスを考える上で大切な点です。
セッション4は、登壇者と参加者の討論会です。1時間余りの質疑応答形式の討論会は技術者を中心にかなり専門的な議論で白熱しました。金岡充晃氏の「スタートアップは、2020年をエンドにビジネスモデルを考える。大手企業等は2020年東京オリンピックを節目としているので、資金調達の流れが変わる可能性がある。」と起業家に対しても貴重なアドバイスをされました。討論会の後は懇親会でしたので、満足度の高い意見交換となりました。