【宇宙ビジネス編集長の2021年時事ネタ放談78】QPS研究所、総額38.5億円の資金調達をし累計調達額は約72億円?!

はい、皆さん、こんにちは。Space Biz編集長の太田です。いかがお過ごしでしょうか。

編集長の時事ネタ放談は、私の気になる時事ネタを独り言のようにつぶやくコーナーです。

今回の時事ネタは「QPS研究所、総額38.5億円の資金調達をし累計調達額は約72億円?!」です。

QPS研究所 累計調達額は約72億円


©QPS研究所

12月上旬に小型SAR(合成開口レーダー)衛星の開発・運用を行う株式会社QPS研究所(以下、QPS研究所)は、シリーズB資金調達のファーストクローズにおいて、スカパーJSAT株式会社(以下、スカパーJSAT)をリードインベスターとして、未来創生ファンド,日本工営株式会社(以下、日本工営),リアルテックファンド,三井住友海上キャピタル株式会社,株式会社FFGベンチャービジネスパートナーズ,三菱UFJキャピタル株式会社,SMBCベンチャーキャピタル株式会社の総勢8社を引受先とする総額38.5億円の資金調達を実施しました。

これまでの累計調達額は約72億円となりました。QPS研究所は、自社開発した小型衛星用の収納式大型軽量アンテナにより、従来のSAR(合成開口レーダー)衛星の20分の1の質量、100分の1のコストで100kg級高精細小型SAR衛星の開発に成功しているんです。

現在は2025年以降を目標に36機の小型SAR衛星を打ち上げてコンステレーションを構築し、約10分間ごとの準リアルタイム地上観測データサービスの提供を目指しています。このプロジェクトの実現に向け、2017年10月ならびに2018年2月のシリーズA調達にて総額24.5億円の資金調達を行い、2020年11月に総額8.65億円追加資金調達を実施しました。

当初のプラン通りに衛星「イザナギ」「イザナミ」の2機の開発、製造、打ち上げへと取組んだ結果、2021年5月には「イザナミ」による70cm分解能という民間の小型SAR衛星として日本で最高精細の画像取得に成功し、衛星データビジネスの構築に向けての活動を本格化させたんです。

今回のシリーズBで調達した資金は2022年打ち上げ予定の衛星3号機~6号機の開発・運用の資金として使用する予定です。

また、QPS研究所は、スカパーJSATと日本工営とそれぞれの業務提携契約を締結したことも同時に発表しました。

こちらはスカパーJSATの販売網を活用したり、衛星防災情報サービス(日本工営、スカパーJSAT、ゼンリンの3社共同で2021年4月よりサービス開始)の高度化に繋がるなどの相乗効果がありそうです。

宇宙ベンチャー企業が大手企業と組めるのは、自社の強みを活かしている何よりの証拠と言えますね。

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