【宇宙人映画を語る~スター・ウォーズシリーズ編~】宇宙ビジネス編集長太田裕二×映画脚本家石橋勇輝の対談

対談動画

 

冒頭

編集長「はい、皆さん、こんにちは。Space Biz編集長の太田です。対談の相手は、お馴染みのいっしーです。宜しくお願いします。いっしー、今回はこちら。スター・ウォーズシリーズ全9作の対談になります。お互い全9作連続で観て、20時間程どっぷり浸かった状態だよね。スター・ウォーズの世界にずっと入ってましたね。」

いっしー「浸りましたね。地球に帰ってくるのが難しかったですね。」

編集長「前回ね、こちらの最後の作品だけやったんですけど、やっぱり、全9作やりたいなということで、今回、こういう企画になりました。進め方として、さすがに一作一作だと凄く長くなってしまうから、3部作ごとのポイントを語ってもらおうかなと。エピソードが123からじゃないんだよね。」

いっしー「そうなんですよ。順番が逆転しているんです。」

編集長「なぜ、こんな順番になったのかな。いっしー知ってる?」

いっしー「はい。基本的に4作目から構想されたと思うんですけど。それがヒットしたので、もう一度、映像技術が再び進歩した今、作り直してみるといことで、前日譚が作られたという感じですかね。」

編集長「そういう感じなんだ。なるほど。早速、エピソード456のポイントを語ってもらおうかな。」

エピソード456

いっしー「スター・ウォーズ有名なんですけど、意外に観たことがない方もいらっしゃるかもしれないので、そうした方々も知識が得られるように話していきたいと思います。エピソード456は、そもそもルーカス監督が構想したんですけど、監督したのはエピソード4だけなんですね。エピソード56はルーカス監督じゃないんです。その理由が衝撃でして。初めてルーカス監督が大予算で撮影したのがエピソード4で。ルーカス監督が疲弊してしまって、エピソード56を作る体力が残ってないということで、監督を別な方に託されたということなんですね。そもそもですね、エピソード4が公開された際に絶対しくじるに違いないということで、借金取りとかから逃げるためにハワイに逃亡したんですよね。」

編集長「この話有名だよね。でも、そんな感じだったんだね。」

いっしー「それだけパワーを込めた作品だからこそ、これだけヒットして次の作品に繋がったのかなと。エピソード456が一番スター・ウォーズの美味しいところというか。」

編集長「一番好きなところだね。」

いっしー「銀河帝国と反乱軍の戦いが真正面から描かれているところですし。衝撃的な結末もありますので。ぜひ、ここから観たいところですね。」

編集長「大体そんなところかな。次にエピソード123はどう?」

エピソード123

いっしー「ご覧になった方は分かると思うんですけど、映像技術がですね、エピソード456と比べてかなり進歩しているんですよね。そもそもヨーダがですね、フルCGで描かれていたり、戦いのシーンも洗練された描写があると思うんですよね。この理由はですね、スピルバーグ監督の『ジュラシック・パーク』という映画がこのきっかけになっていまして。あれを観たルーカス監督が今の映像技術であれば自分が思い描いていたものをフルに表現出来るかもしれないと感じた結果、ほんとは6作までで大体いいかなと思っていたところを、もう一度構想力を搔き立てられて、エピソード123を作ったらしんですね。そうしたルーカス監督の再起というか情熱が描かれているかなと思います。内容としてはですね、ダース・ベイダーがなぜ落ちてしまったのかというのがテーマとして据えられていますよね。ある意味、僕が一番好きなシーンです。」

編集長「なるほど。でも、やっぱり、エピソード456、エピソード123のところが好きなスター・ウォーズファンが圧倒的に多いよね。」

いっしー「そうですね。エピソード789はいろいろと評価が分かれるところですね。」

編集長「最後のエピソード789はどうですか?」

いっしー「こちらはですね、完全にルーカス監督から事業継承されてますので。ある種ファンのために作られたというか、もともと、スター・ウォーズを観て育った世代が、今度は自分達がスター・ウォーズを作るんだっていうファンがファンのために作る要素が強い仕上がりになっているのかなと思いまして。ほんとに日本でも評価が分かれているんですけど、アメリカとかだと評価が高いんですよ。アメリカの場合、スター・ウォーズを観て育った世代が自分達が作る側にまわるっていうことで、ある種の主体者意識があるのかもしれないんですが。ストーリー的にも、ちゃんと9作で銀河の波乱万丈の戦争が完結する形になっていますので、スター・ウォーズをフルで味わいたい方は是非こちらもご覧いただきたいと思いますね。」

編集長「監督が代わって、作品にどんな変化があったのかな?」

いっしー「そうですね。8作目がちょっと評判が良くないんですけど。こちらはライアン・ジョンソン監督なんですが、異色なテイストになっているのかなと思いますね。」

編集長「僕もエピソード456、エピソード123は好きなんですよね。エピソード7と9はJ・J・エイブラムス監督で、私達も対談した『スーパーエイト』や2000年代の『スター・トレック』の監督でも有名ですよね。実績も当然ある方です。問題は8作目の『最後のジェダイ』のライアン・ジョンソン監督ですかね。はっきり言って、この作品だけはスター・ウォーズらしくなく面白くないよね。確か、一部の熱烈なファンが、スター・ウォーズシリーズから除外しようとか、リメイクしようとかで話題になったんですよね。全9作観てみて、8作目の『最後のジェダイ』だけしか観ていない方は他の作品も是非観ていただきたいなと思いますね。ちょっと印象が変わると思いますね。あと、全体感としては、東洋文化の影響を感じたり、フォースって何だろうと思ったり、また、映画界での位置付けなんかも気になるよね。その辺りはどうですかね?」

全体感 東洋文化の影響

いっしー「そちらについても論点をご用意しています。まず、東洋文化の影響のところなんですけど、凄く有名な事実としてスター・ウォーズを作った時にルーカス監督は黒澤明監督をリスペクトしていたという事実ですね。主にベースにしたのは『隠し砦の三悪人』で、こちらに出て来るキャラクターがですね、R2D2とC3POにそっくりな従者みたいな感じで出て来ます。また、レイア姫に似たお姫様も出て来ると、この辺のストーリーが原作になっているところもありますし。あとは衣装ですね。衣装のところで西洋文化から見たら凄く異色な世界観になっていると思うんですけど。例えば、ダース・ベイダーのヘルメットとか、あれは武士の甲冑ですし。アミダラ姫の独特な衣装ですね、化粧は歌舞伎をイメージしていると。最近のエピソード789に出て来る赤い甲冑を着た兵士達は戦国時代から江戸時代にかけての赤備えをもとにしてるんじゃないかと言われています。主に衣装について述べましたけど、影響が出ています。」

編集長「東洋文化の影響が出ているんだね。フォースのところはどう?」

全体感 フォースとは

いっしー「フォースはですね、哲学者とかがスター・ウォーズについて論じてたりとか、スピリチュアル系の方がスター・ウォーズを通して悟ったみたいな変わった本を出していたりとか、結構面白い分野ではあるんですが。やっぱり、フォースについて論じるんであれば、ヨーダの存在が大きいと思いますね。ヨーダというキャラクターを通して、ルーカス監督は自分なりに掴んだスピリチュアルな感覚のようなものを表現されているのかなと思いますね。恐れているものを人間は引き寄せるとか、自分が思っているものを人間は未来に実現するとか、そういった不思議な精神世界を表しているんじゃないかと。編集長のお考えはどうですか?」

編集長「そうですね。スター・ウォーズシリーズは神と悪魔,光と闇,善と悪なんかがテーマになった映画だけど、フォースは神の光や善の力なんかに相当するんでしょうね。東洋的に言うと、また仏教的にも悟りとか悟りの力に繋がっているように思えるよね。」

いっしー「まさに悟りがピッタリなんじゃないかなと思いますね。中国で言うと禅ですね。」

全体感 映画界の位置づけ

編集長「なるほど。あと、映画界の位置づけなんかはどう?」

いっしー「映画界の位置づけは、堂々とした存在感を誇っておりまして、真似をしているつもりがなくても、いつの間にか真似をしてしまっている、意識しないうちにしちゃってる的な存在だと思いますね。最近ですと、『DUNE砂の惑星』というSF映画があったと思うんですけど、あちらはですね、21世紀版のスター・ウォーズみたいなモチベーションで作られた作品らしく、これから3部作が出ていくということなんですけど、中々、越えがたいですね。」

編集長「それほど、評価も高くないよね。今のところはね。今後に期待ということですかね。」

いっしー「最初から大作を狙うとミスってしまうケースも多いと思いますので。」

いっしーの好きな場面

編集長「全9作観て、いっしーの好きな場面やシーンはどこ?」

いっしー「先程も述べたんですけど、個人的に一番好きなのはエピソード123のところで。アナキン・スカイウォーカーがアミダラ姫のために悪に落ちていく姿が何かこう悲劇の原型をみるような気がして。もともと、愛だったものが、いつの間にか執着になり、自分の欲望のための渇望に変わっていき落ちていくという様が悲劇的だなと思いまして。シェイクスピアの『アントニーとクレオパトラ』のような古典悲劇にも匹敵するような壮大さを感じるストーリー展開ですね。」

編集長「ちなみに僕の好きなシーンは、エピソード456の中なんだけど、息子であるルークとの対面そして戦いを通して、ダース・ベイダーが改心する感動のシーンかな。最後はジェダイの騎士としての心を取り戻すよね。落ちていくところと改心して上がってくるところは心揺さぶられるのかもしれないね。心って自由だけど、ちょっとしたきっかけで善なる方向にも悪なる方向にもいってしまうんだよね。心って制御するのが大変なんだなって。」

いっしー「善悪の世界観でいくと、ゾロアスター教みたいな。」

編集長「ゾロアスター教に似ているよね。」

いっしー「人間は刃の上を歩いていて、常に悪に落ちるか善に落ちるか、瀬戸際を歩いているみたいな。まさにそういった形の世界観が投影された作品なのかなと。」

編集長「そうかもしれないですね。あと、物語にも出て来ますけど、いっしーは愛する人を救うために暗黒面の力は必要だと思う?」

いっしー「主観的な世界観でいうと、何でもしたいという気持ちはあるんですけど、客観的にみると、アミダラ姫がそこまでして欲しかったのかということですね。やっぱり、ヨーダも人間の命は寿命が決まっているので、諦めるしかないというアドバイスもしてましたし。やっぱり、死後にも生命があり続けることをアナキンが信じることが出来れば、そこまで醜いことはしなかったと思いますね。」

編集長「東洋文化、東洋哲学には、転生輪廻の考えがありますよね。そういった考えも裏に隠されていたのかもしれないね。やっぱり、人生でも、ビジネスでも、王道を歩きたいよね。何でもかんでも使うと、間違った方向にいくんでしょうね。覇道というか。世間の皆さんがみても、後ろ指指されない形で歩まないといけないのかなと気はしましたね。」

いっしー「アナキンは、あせりとか傲慢さとか、そういったものが結構描かれていたので、そういったところが覇道に落ちていく素質があったのかなと思いますね。」

編集長「心のところでいうと、悪なるものに取り込まれてしまうような心の隙はあったように感じますよね。」

いっしー「大いなる力には大いなる責任が伴うって言葉もありますので、力に見合うだけの器がなかったのかもしれませんね。」

まとめ

編集長「スター・ウォーズシリーズを全9作観てね、人生にもしっかり活きるしね、ビジネスにも活きるかもしれないので、トータルでいろんな学びがありましたね。」

いっしー「観る人の視点によって、学びが違いますよね。」

編集長「学びの深め方が違うかもしれないですね。ほんとに我々も全9作連続で観るっていうのは、初めてだったかもしれないけど、勉強になりましたよね。」

いっしー「是非お時間ある時にですね、巣ごもりも厭き始めていますので、一度観ていただきたいですね。」

編集長「時折、シリーズものの対談もやっていきたいよね。では、次回もお楽しみに。バイバイ。」

いっしー「バイバイ。」

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