【宇宙ビジネス~2021年JAXAニュース㉔~】JAXA、静かな超音速機実現に向けNASA,ボーイングと共同研究開始!
はい、皆さん、こんにちは。Space Biz編集長の太田です。いかがお過ごしでしょうか。
本日は、宇宙ビジネス超入門者向けに、JAXAニュースになるんですけど、「JAXA、静かな超音速機実現に向けNASA,ボーイングと共同研究開始!」について述べますね。
静かな超音速機実現に向け共同研究開始
©NASA
10月中旬に国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)は、米国航空宇宙局(以下、NASA)及び米国ボーイング社(以下、ボーイング)と共に、NASAが開発を進める低ソニックブーム実験機X—59(正式名称はX—59 QueSST)の低ソニックブーム設計を検証する共同研究を開始したことを発表しました。
超音速機の運航には、超音速飛行時に発生する衝撃波に起因する騒音であるソニックブームが原因となり、超音速での飛行区域が海上のみに限定されるという課題があります。
国際民間航空機関(ICAO)では、2000年代初頭より陸上上空における超音速飛行を可能とするためにソニックブームの基準策定を進めており、JAXAは研究開発成果を通じて、その活動を支援してきた経緯があります。
ソニックブームの国際基準策定を目指す
今回、三者の共同研究は、これまで培ってきた技術,知見を融合,深化させることで、今後のソニックブームの国際基準策定につながりそうです。
具体的には、NASAが開発を進めるX—59の風洞試験模型をNASA,JAXA双方の風洞設備で試験し、ソニックブーム特性に関するデータを取得・交換して相互検証すると共に、ボーイングとJAXAとで当該模型の数値流体(以下、CFD)解析を実施し、三者によるCFD結果と風洞試験結果の比較検証を行うようです。
CFD解析とは、空気の流れをコンピュータ上でシミュレーションし、機体が受ける影響を解析する方法です。
獲得したデータ、解析結果により、NASA側はX—59の低ソニックブーム設計を高い精度で検証することが出来、JAXAとしても、NASAの風洞試験結果やボーイングのCFD解析結果を利用してソニックブーム推算技術の高度化が可能となりますので、相乗効果が期待出来ますね。
まとめ
JAXAの空気抵抗を下げて燃費を良くする技術やソニックブームが小さくなる機体設計技術が認められた成果なんだと思います。
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