【宇宙人映画を語る~キャプテン・マーベル編~】宇宙ビジネス編集長太田裕二×映画脚本家石橋勇輝の対談

対談動画

 

冒頭

編集長「はい、皆さん、こんにちは。Space Biz編集長の太田です。対談の相手は、お馴染みの、教育家兼映画脚本家のいっしーこと、石橋勇輝さんです。宜しくお願いします。いっしー、今回はこちら、キャプテン・マーベルという映画なんですよ。個人的には、とっても嬉しい。理由はね、女性のヒーロー物語だからです。対談でも、女性のヒーローは初めてですかね。」

いっしー「初めてですね。今までの対談で。」

編集長「この作品は、米国で最も好まれるヒーロー物語の原点みたいなものかもね。原点は女性のヒーローだとすると、神話時代の女神が現代的に復活したように見えるよね。では、今回も、3つ位に論点を絞って、語ってもらおうかな。では、いっしー、早速、1つ目の論点はどうですか。」

論点1:90年代のネタ満載

いっしー「なるほど。勝利の女神とも言いますからね。本作の見どころの1つ目、1990年代のネタが満載だよ、というところをお伝えしたいと思います。

1990年代は僕自身もまだ生まれていないんですけど、レンタルビデオ店のブロックバスターとか、映画のライトスタッフとかも出て来ましたし、特設ホームページも1990年代風に作られているんですよね。Tシャツとかサウンドトラックとかも全部1990年代で統一されているんです。

徹底的なこだわりがあるんですよ。1970年代がガーディアンズ・オブ・ギャラクシー、1990年代はキャプテン・マーベルということで。

あと、もう一つですね、注目すべき点はスタン・リーさんが毎回カメオ出演していると思うんですけど、今回は特別でして。1995年に初めてスタン・リーさんがカメオ出演されたセリフがあるんですけど、今回そのセリフ、同じセリフを言っているんですよ。」

編集長「1995年を舞台に描いていますけど、懐かしい時代に感じましたね。ブロックバスターは成功企業の象徴みたいなところがありましたけど、今はなくなってしまいましたからね。スタン・リー氏が出ているだけでも、とても貴重なのに同じセリフを2度繰り返しているんですよね。『信じろ信念を持つ者』って。いっしーはこのシーンをどんな気持ちで観ていたの?」

いっしー「やっぱり、若者へのスタン・リーさんの熱いメッセージであったり、ヒーローに対する熱い期待の言葉であったように感じますね。」

編集長「スタン・リー氏が人生で一番伝えたかった言葉なのかもしれないですし、その一言に凝縮されているような気がしますね。では、2つ目の論点はどうですか。」

論点2:ミステリー要素の絡む物語展開

いっしー「本作のプロットに関わるものなんですけど、本作の物語展開としては、ミステリー要素が絡んでいて複雑な物語構成になっています。ネタバレはあまりしませんけど、実は記憶の消えた二重スパイ的なストーリーがベースになっていて、複雑さでいったらスパイ映画『ボーン』シリーズを思わせるような複雑さがあります。

でも、謎が解けてしまったら、マーベルらしさ全開で痛快アクション、吹き飛ばすみたいな形です。凄く痛快なんですけど、そこに至るまでは正義と思えしものが、実はそうではなかったみたいな。アメリカ人の方が、ベトナム戦争の時に味わったような苦い思いを思い出させるものがあるのかなと。味わい深い作品になっています。」

編集長「神話のような物語でもあり面白いんですが、ここまで圧倒的な強さを持つヒーローは見たことないですよね。ストレスを持っている皆さんも、おそらく、スッキリしますね。それ位の強さはあります。あと、僕が印象に残ったのは、最初の方で感情のコントロールを訓練してましたけど、パワーの元は精神統一による念力みたいなものも関係してるじゃないかなと思いましたね。」

いっしー「科学技術ではなく、人間の内側から湧き上がるパワーですかね。」

編集長「ちょっと東洋的ですけどね。では、3つ目の論点はどうですか。」

論点3:「宇宙戦争に巻き込まれる」型映画

いっしー「この映画はタイプ別に分類するとすれば、宇宙戦争に巻き込まれる型の映画じゃないかと。地球っていうのは、あくまで映画の中では『C-53』って分類される惑星として、突き放した形で描かれています。地球中心の世界観だと、中々、宇宙戦争に巻き込まれる予測が出来ないことだと思うんですけど。また、宇宙人の入り込み方っていうのが巧妙でして、自由に擬態して地球人に溶け込んで侵略を進めるみたいな形で描かれています。SFでジャック・フィニィさんの『盗まれた町』という有名な作品もそれを描いているんですけど。そういった目に見えない侵略が進んでいくところは、ほんとに地球情勢とか宇宙情勢とかに目を光らせていかないと危ないよ、というメッセージなのかなと思いますね。」

編集長「なるほど。確かにそうですね。広大な宇宙を考えた時に、宇宙戦争は過去にもあったと考えるのが自然だよね。最後の方でプロテクター計画にあたり、もっとヒーローが必要というところは、いかにもアメリカらしいですよね。やはり、ヒーローを求めるところにヒーローは現れるのでしょうね。」

いっしー「英雄待望論ですかね。英雄はいらないと言ったら、来ないでしょうから。」

編集長「アメリカの映画って、そういうところが強いし、アメリカ人そのものがね、ヒーロー願望が強いのかもしれないですね。今回も対談してきましたが、やっぱり地球って、宇宙からの防衛システムは皆無ですよね。ですから、銀河系パトロール隊に応援を要請したいですね。我々も出来るところから、念力鍛えていきましょうか。では、次回もお楽しみに。バイバイ。」

いっしー「バイバイ。」

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