宇宙ビジネス(的川 泰宣 監修)の書評・感想 – おすすめ宇宙ビジネス本2
今回は、『宇宙ビジネス』(的川泰宣監修 アスキー・メディアワークス)をご紹介します。
監修は、独立行政法人宇宙航空研究開発機構(以下JAXA)の名誉教授で、技術参与でもある宇宙産業の重鎮です。
著作の中では、主に日本の立場から最近の宇宙ビジネスの状況をまとめてあります。民間企業とJAXAが知的財産利用許諾契約を締結し、画期的な商品が生み出されているのを紹介したり、ロケットビジネスの概要や再使用ロケット開発後の可能性にも言及しております。
人工衛星やロケット事業
人工衛星やロケット関連の事業は、やはり宇宙ビジネスの中心になります。人工衛星を利用したサービスはどんなものがあるのかと疑問に思うのですが、最近では衛星画像を利用した商業サービスが活発化する傾向にあります。教育,出版,放送,地図,防災等だけでなく、漁業,農業,資源などの探査にも活用されているようです。宇宙からの視点で地球での利便性を高め、私達の生活にも大変身近になっています。
海外宇宙ビジネス事情と日本
日本の宇宙ビジネス環境の他に海外宇宙ビジネス事情の章もあります。最新データではありませんが、米国の宇宙産業の規模は日本の約15倍あり、欧州では日本の約3倍あります。こうした現状を見ても、日本でも国策として宇宙産業を育成することは急務と言えます。
米国では、NASAが宇宙輸送ビジネスを民間企業に委託しているので、日本でも大きな規制緩和が必要かもしれません。宇宙ビジネスに付随するスペースデブリの問題も大きくなると、人工衛星保険の要求が高まるように思えます。
人工衛星保険には、打ち上げ前保険,打ち上げ保険,寿命保険,第三者賠償責任保険などがありますが、私も関わった経緯がありますので、別の記事で詳細お伝え出来ればと思います。
まとめ
宇宙ビジネスをここまで分かりやすく且つ幅広く書いた著書は必読です。