【宇宙人映画を語る~スペースボール編~】宇宙ビジネス編集長太田裕二×映画脚本家石橋勇輝の対談

対談動画

 

冒頭

編集長「はい、皆さん、こんにちは。Space Biz編集長の太田です。対談の相手は、いつもの、教育家兼映画脚本家のいっしーこと、石橋勇輝さんです。宜しくお願いします。いっしー、今回はこちら、スペースボールという映画なんですよ。英語だとSPACEBALLSなのですが、日本語だとスペースボールとなります。謎なんですが、英語の得意ないっしーはその辺りのこと知ってる?」

いっしー「中々面白いところに目をつけましたね。多分、スペースボールっていうのは星の名前として登場するんですけど、sがつくことによって、スペースボール星から来た人達みたいな感じになるんじゃないかなと。」

編集長「そうかそうか。いっぱい出て来るもんね。この作品を映画にしてしまうのは米国の懐の深さを感じますね。真面目な日本だと、まず無理ですよね。ふざけすぎてるって言われて。パクリ映画、いやいや、パロディ映画では外せない映画なんですよね。今回も、3つ位に論点を絞って、語ってもらおうかな。では、いっしー、早速、1つ目の論点はどうですか。」

論点1:パロディ満載、SFマニア度チェックに最適な映画

いっしー「この映画はですね、先程ありました通り、パクリ映画ならぬパロディ映画で80%位スターウォーズのパクリじゃないかと。でも、80%以外の20%は何かと言いますと、他のSF映画のパクリということになっています。これは逆にパクリだからこそ、SFマニア度をチェックするのに最適な映画になっています。本作を観て、どれ位のパクリに気付けるか、オタク度チェックというところで。一例を挙げますと、スターウォーズの他にもトランスフォーマーであったりとか猿の惑星、エイリアン、2001年宇宙の旅、あとスター・トレックもすべて登場しますので。ぜひ。」

編集長「僕はね、全部分からなかったですね。最初の映画の出だしから、あれっ、スターウォーズが始まったぞと思いましたよ。最後の方でエイリアンが出て来て、踊って笑かせていますよね。あまり怖くないエイリアンでしたけどね。最初と最後で、大体どんな映画かは想像してもらえるかと思います。いっしーは、どのパロディが好きですか。」

いっしー「この映画の中ではトランスフォーマーですね。小学生時代はトランスフォーマーが好きだったので。宇宙船が変形してお掃除ロボットになるところとか。結構、笑えましたね。編集長の方は。」

編集長「何度か観ると発見がいろいろあるかもしれないよね。私は出だしのスターウォーズかな。最初から結構きてるなと思いましたよ。こういう映画は、ないですよね。では、2つ目の論点はどうですか。」

論点2:監督をしつつ一人二役をこなすメル・ブルックス

いっしー「本作はですね、観終わった後、くだらない映画だなと感じたんですけど、スペシャル特典として入っているブルックス監督のインタビューを見て目線が変わったところがあるんですよ。ブルックス監督はパロディ映画界の重鎮として知られている方らしいんですけど、この方はですね、本作で一人二役として出演しているですよね。ヨーグルトという役と大統領役ですね。笑いについて、ストイックに追求されている方なんだなという印象が受けました。適当につくっているわけではなくて、ほんとに綿密に考えて真剣にふざけているっていう感じですね。日本でいうと、吉本新喜劇のような種類にあたるのではないかなと思うんですけど。この笑いは人を選ぶというか、あまり笑えない方もいるのかなと。ただ、その姿勢は勉強になりますね。」

編集長「ヨーグルトもそうだったのか。おそらく、吉本新喜劇でも通用しそうなネタかな。日本人でも笑えるものがあるんですよね。お笑い芸人でも映画監督出来る方いますからね。物凄い器用な方だと思いますが、監督業も俳優業もめちゃくちゃ楽しんでいるのが雰囲気で分かるよね。」

いっしー「制作陣のわくわく度合が伝わってきますね。」

編集長「これは観てて楽しめるところですよね。では、3つ目の論点はどうですか。」

論点3:パロディ映画の楽しみ方

いっしー「このパロディ映画なんですけど、パロディ映画独特の楽しみ方があるのかなと思いますね。ブルックス監督の他の作品も調べてみたんですけど、『ヤング・フランケンシュタイン』はフランケンシュタイン映画をすべてパロディにした映画なんです。世界史を全部パロディにした『珍説世界史』。あと、キューブリック監督の作品をすべてパロディにした『新サイコ』。一つの世界観を丸ごとパロディにした作品をいっぱい出していて面白いなと思いますね。」

編集長「こういう人は日本だと吉本興業に行っちゃうのかな。」

いっしー「本作はジョージ・ルーカス氏も絶賛しておりまして。もともとはですね、ブルックス監督はルーカス氏に訴えられるんじゃないかと心配されていたらしいんですよね。ルーカス氏本人に聞いてみたところ、グッズ販売などの商業化をしなければ大丈夫だよとOKをもらったようです。CGが凄いんですけど、CGを担当したのは、ルーカス氏の会社ILMが手伝っているんですよね。本物が公認したパロディ映画です。」

編集長「パロディ映画もそこまでいかないと。公認お墨付きっていうのが大事だね。本作はジョージ・ルーカス氏も絶賛というのが凄いね。」

いっしー「そこが秀逸なんですけど、誉め言葉としてですね、コメディがない方が面白かったと言っているんですね。」

編集長「それは皮肉だよね。でも、パロディを楽しめるのは、もちろんのこと人生の格言も散りばめられているんですよね。一つ印象に残ったのは、ヨーグルトの声が響いてくるシーンで『シュワルツは君の中にある。君の中に宿る力だ。』なんて言葉は不可能を可能にする信念にも繋がるかもしれないなと思ったんですよ。」

いっしー「なるほど。単に笑いだけでなく。」

編集長「だから、この格言が笑いの中に真面目な言葉が混じっているので、塩のように効きますね。パロディ映画なんですけど、実は他の惑星にある空気が争いを引き起こしているんですよね。宇宙では空気は当たり前ではないので、地球の資源にあらためて感謝したいですね。では、次回もお楽しみに。バイバイ。」

いっしー「バイバイ。」

 

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