【宇宙ビジネス超入門~ 2021年号外ニュース⑲~】フィンランドの学生、世界初の木造人工衛星を打ち上げ!

はい、皆さん、こんにちは。Space Biz編集長の太田です。いかがお過ごしでしょうか。宇宙ビジネス超入門者向けに、世界や日本で起こった宇宙ビジネスのトピックニュースを1つご紹介します。

号外ニュースになるんですけど、本日は「フィンランドの学生、世界初の木造人工衛星を打ち上げ!」について、述べますね。

木造人工衛星を打ち上げミッション

credit:UPM Plywood

4月中旬にフィンランドのアールト大学の学生が立ち上げたArctic Astronautics社ら3社は、木材で作られた超小型人工衛星『WISA Woodsat』を打ち上げる共同ミッションを発表しました。何とですね、今年2021年末までに地球の軌道に乗せる予定なんです。

主なミッションは、宇宙構造物での木材使用を評価するために、過酷な温度,真空,宇宙放射線下での長期間に渡る合板の変化,耐久性に関するデータを収集することなどです。

WISA Woodsatの概要

『WISA Woodsat』は縦横高さが、それぞれ10㎝で重さは1kgの超小型人工衛星です。オンボードセンサーには、2機のカメラが搭載されていて、特殊コーティングを施したWISAバーチ合板をモニターしたり、また外部映像を撮るために折り畳み可能な棒に設置されています。

いわゆる自撮り棒が付いた木造人工衛星ってことです。搭載されたセンサーは、9個の小型太陽電池によって駆動されます。

木造人工衛星のメリット

木材は電磁波,地磁気を透過するので、人工衛星を木造にすればアンテナや姿勢制御装置を衛星内部に設置でき、衛星構造を簡素化出来るんですよね。

それに運用終了後の大気圏に突入する木造人工衛星は完全に燃え尽きるので、燃焼時に大気環境等の汚染源となりうる微小物質(アルミナ粒子)が発生しないのもメリットですね。もしかしたら、未来標準になるかも。

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