【宇宙ビジネス編集長の2021年時事ネタ放談㉕】宇宙で熟成された赤ワイン、売却価格は100万ドル?!

はい、皆さん、こんにちは。Space Biz編集長の太田です。いかがお過ごしでしょうか。

編集長の時事ネタ放談は、私の気になる時事ネタを独り言のようにつぶやくコーナーです。

今回の時事ネタは「宇宙で熟成された赤ワイン、売却価格は100万ドル?!」です。日本円でいうと、約1億900万円になります。

ISSで熟成されたワインが競売に

Credit:Space Cargo Unlimited

5月上旬に大手競売会社クリスティーズは、国際宇宙ステーション(ISS)で14カ月間熟成した、フランスのボルドー産赤ワインペトリュス2000を直接交渉によるプライベートセール方式で発売すると発表しました。

ペトリュス2000はですね、年間生産数2500ケースしかなくて、ペトリュスの中でも希少価値が高く、市場に出ると即売してしまうんですよね。日本ですと、80万円前後で販売されていたと思います。

新しい食品保存の実験

そもそも、なぜ、高級ワインのペトリュス2000が宇宙へ、と疑問に感じますよね。

これは、欧州の宇宙ベンチャーであるSpace Cargo Unlimitedが主催した実験の一環なんです。無重力環境や宇宙放射線などの影響により、ワインの熟成過程で化学変化が起き、新たな風味のワインが出来るのでは、と専門家も期待していました。

ただ、新種のワインを開発するのが目的ではなく、新しい食品保存方法の発見が目的でした。

実験結果と商品化への課題

実は、今年3月に試飲を行っており、地上で熟成したワインとの味の成分に顕著な違いが認められているんです。輸送コストを考えると、新商品にはなりにくいと思いますけどね。

日本でも、2015年にサントリーが国際宇宙ステーション(ISS)きぼう日本実験棟で『微小重力環境を利用したお酒のまろやかさの形成』に関する研究を実施しているんですよ。

まとめ

宇宙利用と地上実験の融合は、新たな価値を生み出すかもしれませんね。

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