【宇宙ビジネス~2021年JAXAニュース⑦~】デブリ接近衝突確率に基づくリスク回避支援ツールの無償提供開始!
はい、皆さん、こんにちは。Space Biz編集長の太田です。いかがお過ごしでしょうか。
本日は、宇宙ビジネス超入門者向けに、JAXAニュースになるんですけど、「デブリ接近衝突確率に基づくリスク回避支援ツールの無償提供開始!」をご紹介します。
デブリ回避運用のリスク回避支援ツール
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)は、人工衛星のデブリ回避運用を容易にするために『デブリ接近衝突確率に基づくリスク回避支援ツール』(RABBIT)を開発し運用に活用してきました。
この度、このツールをスペースデブリ衝突回避に取り組んでいる他の人工衛星運用機関(国内外の公的機関、企業、大学含む)に向け無償提供することにしたんですね。
増加するスペースデブリの問題
人類の宇宙開発が始まって以来、スペースデブリは増加の一途をたどっています。
小さなスペースデブリであっても、人工衛星を破壊する可能性があるため、人工衛星の運用においては、スペースデブリとの衝突回避が最優先事項の課題となっているんですよね。
衝突回避の課題
現在、人工衛星を運用する各機関は、米国の連合宇宙運用センター(CSpOC)から、接近通知(CDM)を受け取っており、この通知により数日以内のスペースデブリとの衝突の可能性を把握しています。
ただ、CDMには衝突回避のために、いつ、どれくらいの軌道制御を実施すれば良いのか、という情報までは記載されておらず、各衛星の運用機関が自力で計算する必要があり、従来は軌道力学の専門家による解析が必須だったんですね。
現状を解決するツール「RABBIT」
そこで、JAXAは人工衛星とスペースデブリ接近回避を容易にするツールとしてRABBITを開発し運用に活用してきたんです。
Credit:JAXA
この図1ですけど、CDMをRABBITに入力する事により、人工衛星(低軌道衛星)を、いつ、どれだけ軌道制御すればスペースデブリとの衝突を回避出来るのか、衝突確率と最接近距離を解析した上で、等高線図として視覚的に分かりやすく表示することが出来ます。
Credit:JAXA
また、この図2を使えば、スペースデブリ衝突回避運用に長けた軌道力学専門家がいなくても、得られた等高線図から、最適な衝突回避手段を見つけ出す事が可能となります。まずはお試しあれ!ですね。
・RABBITの入手 https://sma.jaxa.jp/Software/RABBIT/index.html
ご清聴ありがとうございました。チャンネル登録お願いします。
・JAXAニュースリリース https://www.jaxa.jp/press/2021/03/20210322-1_j.html
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