【宇宙ビジネス】トランプからバイデンで宇宙政策はどう変わる?

トランプ氏とバイデン氏の比較

はい、皆さん、こんにちは!Space Biz編集長の太田です。今回は、ですね、いつもと違った切り口で宇宙ビジネスを述べたいと思います。

題は「トランプからバイデンで宇宙政策はどう変わる?」です。旬の時期ですからね。こちらの表を見てもらえますか。


 
 

 

要はトランプ大統領とバイデン次期大統領の政策の比較をまとめた表になっています。わずか一行で各政策の要点をまとめているので、効率良く全体像を把握出来るのではないかと思います。省略しすぎですかね。(笑)

経済に関心のある私からすると、減税から増税になるので、景気が悪くなっていくような気がします。

 
 

宇宙政策のポイント

最後の宇宙政策がはてな?になっていますよね。ヒントを言うと、「月探査」もしくは「火星探査」という文字が入ります。

各政策見ても、反対のものも多いので、宇宙政策はどうなるのかといった予測でもあるし、解説になるかもしれません。

政党の違い

米国では共和党か民主党によって、もしくは大統領によって、宇宙開発の中長期計画が大きく影響を受けるケースが良くあるんです。私が知る限り、2020年の選挙期間中にトランプ大統領とバイデン次期大統領は、宇宙政策を巡って論戦することはなかったように思います。

ただ、直近の大統領であるトランプ大統領とオバマ前大統領の宇宙政策を見ると、共和党と民主党の考え方の違いが良く分かります。

2010年にオバマ前大統領は火星を目指すと発表したんですけど、2017年にトランプ大統領は再び月を目指すことを決めたんです。トランプ大統領と同じ共和党のブッシュ前前大統領も2005年にコンステレーション(Constellation)計画で月を目指していたので、今世紀だけでも、月から火星、火星から月へと目標が政権によって変わったんですよね。

NASAも振り回されていますね(笑) ただ、スペースシャトルの代替で火星探査を目的に開発されたオリオン(Orion)宇宙船やスペース・ローンチ・システム(SLS)ロケットは、月探査計画にも活躍しそうなので無駄にはなっておりません。

トランプ大統領が選ばれてから何年かは、共和党は月,民主党は火星を目的地とするといったイメージもありましたが、現在はオバマ前大統領の計画は無謀だったと考えられているんですよね。やはり、どうみても火星探査への資金が足りず、計画そのものが不十分だったということですね。

 
 

月と火星の優先順位

今では、月探査から火星探査という流れが、一番効率が良いという共通認識になっています。ただですね、2020年1月に民主党指導部が「NASA Authorization Act of 2020」を提案しているんです。

その内容なんですけど、民間企業が開発した月面着陸船を使うのではなく、NASAに独自の月面着陸船を開発することを指示したりしています。また、火星探査の活動を優先し、月面探査の活動範囲も縮小することを提案しているんですね。

これは、月面資源探査のispaceなどの民間企業にも影響が出そうです。米国の宇宙ビジネスの良い流れである、NASAの仕事を規制緩和し、新たに民間企業が取り組むという、米国の宇宙ビジネスの成功事例が逆回転しなければ良いのですけど。

 

アルテミス計画

2020年10月に米国は日本を含む8カ国で有人月面着陸のアルテミス合意を締結しておりますし、日本も2021年度の概算要求でアルテミス計画に810億円程盛り込んでいますので、アルテミス計画中止ということは起こりにくいんじゃないかと思います。

アルテミス計画では、当初2028年に月面有人着陸を実施する予定でしたが、急遽トランプ大統領が2024年に変更した経緯があります。また、アルテミスⅠの打ち上げ目標も2020年から2021年に延期されているので、有人月面着陸は新政権では2028年以降になるような気がしますね。

 

まとめ

結論として、バイデン次期大統領はトランプ大統領のアルテミス計画を引き継ぐ形になりそうで、「月探査から火星探査」という文字が入ります。ただ、月探査と火星探査の優先度が変わる可能性はあります。新政権誕生後、結論を大きく外していたら、すみません。(笑)何が起こるかは分かりませんので。

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