日本初の衛星データプラットフォーム「Tellus(テルース)」とは

日本政府は、「宇宙産業ビジョン2030」を発表し、従来の宇宙機器産業に加え、宇宙利用産業の拡大のための取組みを政府一丸となって展開し、2030年代早期に宇宙産業全体の市場規模を現在の1.2兆円から倍増を目指しています。
 
その中で、宇宙利用産業の拡大には、衛星データの利活用が鍵であり、これまで主に専門家や研究機関で使われていた衛星データを個人や民間企業など、誰もが手軽に無料で自由に使える環境を提供しようとして開発が進められています。

■Tellusの概要

それが、経済産業省の「平成30年度政府衛星データのオープン&フリー化及びデータ利用環境整備事業」である日本初の衛星データプラットフォーム「Tellus」です。
「Tellus」という名前は、大地の女神「Tellus(テルース)」に由来し、衛星から観測した地上から得られる色々なデータにより豊かな未来を作り出したいという意を込めて名付けられました。
 
近年、観測衛星から得られる衛星データの質や量が飛躍的に向上しており、欧米のベンチャー企業等を中心に、衛星データを利活用したソリューション提供が様々な分野で進みつつあります。
衛星データは単なる宇宙由来のデータではなく、ビッグデータの一部として、陸海空の様々なセンサーデータと組み合わせることで、様々な課題に対してソリューションを提供することが出来ると期待されています。
 
一方で日本の政府系衛星データは、商業利用しやすい環境になく、産業利用は限定的な状況です。「Tellus」では、日本初となる衛星データプラットフォームとして、オープン&フリーで民間企業や研究機関、個人等が衛星データを利用しやすい環境整備を実現することを目的にしています。そして開発から4年目には完全民営化されることとなっています。

■Tellusの今後

また、「Tellus」は、衛星データの提供を行うだけでなく、利用者が衛星データ利用ビジネスを行うために、衛星データを扱いやすいインターフェース、利用者が作成したアプリケーションを自由に販売できる環境の提供、国内外の様々な衛星データ利用ビジネスに係る情報や事例紹介や衛星データ利活用のための人材育成等衛星データ利用ビジネスを行うために必要な様々なサービスが提供される予定で、2019年2月末の本格稼働を目指しています。

■まとめ

衛星データは、アイデア次第で建設、農業保険や、災害復興、マーケティングや都市計画など様々な産業や業種に利活用することができます。「Tellus」は、これらを含めて新たなビジネスの創出を支援していきます。