【宇宙ビジネス超入門】2020年ってどんな年(日本編)

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2020.12.31Space Biz TV

【宇宙ビジネス超入門】2020年ってどんな年(日本編)

皆さん、こんにちは。Space Biz編集長の太田です。宇宙ビジネス超入門者向けに、宇宙ビジネス業界の「2020年ってどんな年(日本編)」として、私の気になるトピックニュースを5つ程簡潔にお伝えします。

目次

大分空港がアジア初の宇宙港となる

1つ目に大分空港がアジア初の宇宙港となる、です。大分県は米国のヴァージン・オービット社とパートナーシップを結びました。最速で2022年の打ち上げを目指すようです。この企業は航空機からつり下げたロケットを空中発射して人工衛星の打ち上げ事業を予定しているんです。種子島宇宙センターなどの垂直型ロケット発射と比較して、既存の空港を利用するため、コスト面で優位性があります。

大手商社が小型衛星打ち上げ事業に参画

2つ目に大手商社が小型衛星打ち上げ事業に参画です。丸紅、インターステラテクノロジズ、D-Orbit(ディーオービット)は協業意向書を締結しました。三井物産らが衛星ライドシェアサービスを展開する米国のSpaceflightを買収したのも記憶に新しいところです。商社の巨大なネットワークを活用して販路を開拓するのが目的かと思われます。

トヨタとメガバンク等が宇宙開発投資ファンドに出資

3つ目にトヨタとメガバンク等が宇宙開発投資ファンドに出資です。トヨタ自動車は三菱UFJ銀行,三井住友銀行,みずほ銀行などと連携して、スパークス・グループの子会社が設立した投資ファンドに約80億円出資です。2020年末をめどに他企業からの出資も受け入れて150億円規模を目指します。

主に人工衛星やロケットなどを開発する、設立間もないベンチャー企業に投資する予定です。非宇宙業界の大手企業の参入は必要不可欠となりますので、どれだけ誘い込めるかも成功の近道になります。実は、ここだけの話ですが、私の知り合いが、こちらの投資ファンドに就職したんです。宇宙ベンチャー企業には、ゆるくて甘いようですね。

月探査計画で日米共同宣言に署名

4つ目に月探査計画で日米共同宣言に署名です。米国が主導する月探査計画(アルテミス計画)で、協力に関する日米共同宣言に署名しました。アルテミス計画とは、NASAの月面着陸の計画で、2021年に無人で宇宙船を打ち上げ、2023年に有人機、2024年に月面着陸する計画になっています。

日米共同宣言には、日本人宇宙飛行士の活動機会なども明記されているので、日本人宇宙飛行士初の月面着陸も現実味を帯びてきました。ただ、トランプ大統領からバイデン氏になると月面着陸は2028年に延期されるかもしれません。

沖縄県下地島空港から宇宙旅行へ

5つ目に沖縄県下地島空港から宇宙旅行へ、です。PDエアロスペースは公募で下地島宇宙港事業を提案し、沖縄県と基本合意しました。宇宙機の飛行試験をはじめ、宇宙機用格納庫を用いたテナント事業,宇宙旅行に対応する訓練事業,観光事業を展開していく計画です。

有人宇宙旅行の拠点はアジア初で、2025年に年間100人,2030年に年間1000人の宇宙旅行者を目指すようです。こちらの宇宙旅行は、飛行時間約90分で無重力体験も5分程あります。どれ位の料金になると思いますか? 1人1500万前後を想定しています。中国などのアジアの富裕層をターゲットにしているのが読み取れますね。地方自治体と宇宙ベンチャー企業が協力して、新しいマーケットをつくる良い事例だと思います。

まとめ

日本編を見ると、アジア初の宇宙港,大手商社と販路開拓,宇宙ベンチャー企業の宇宙関連投資ファンドの活用,地方自治体と連携など宇宙ビジネスに関わるキーワードが出て来ます。2020年がどんな年だったのかは、こちらの日本編と世界編を見ると、宇宙ビジネスの動向が見えてくると思います。ご清聴ありがとうございました。チャンネル登録お願いします。

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