S-Booster 2018

S-Boosterの概要は、優れた宇宙ビジネスアイデアの発掘を目的として2017年にスタートしました。
2回目の開催となる2018年は、3年以内の事業化を想定したビジネスプラン部門と10年以内の実現を目指した未来コンセプト部門の2部門を設立。又、賞金最高額は1000万とより充実した表彰制度で、ビジネスアイデア事業化の支援を強化しています。
 
2018年11月19日にS-Booster 2018最終選抜会が渋谷ストリームホールで行われました。200件程の応募の中から、ビジネスプラン部門8件、未来コンセプト部門4件がファイナリストとして参加し、以下の内容でプレゼンテーションをしました。

ビジネスプラン部門①「ヒコーキをアンテナ化!海の上でも衛星データ受信サービス」
ビジネスプラン部門②「美肌衛星予報」
ビジネスプラン部門③「宇宙から見つけるポテンシャル名産地」
ビジネスプラン部門④「静止測位衛星による津波早期警戒サービス」
ビジネスプラン部門⑤「宇宙でのQOL向上のための、肌と微生物の共生」
ビジネスプラン部門⑥「旅客機のレーダー衛星化によるビッグデータ事業」
ビジネスプラン部門⑦「成層圏における微生物採取請負人」
ビジネスプラン部門⑧「ロケット海上打ち上げ」
 
未来コンセプト部門①「地球上から月面基地開発可能なテレプレゼンスロボットの実現」
未来コンセプト部門②「地球内部のCTスキャン」
未来コンセプト部門③「超小型衛星群とグローバル地上局ネットワークによる地震発生予測」
未来コンセプト部門④「Aurora for ALL」
 
 
最終選抜会の様子は、JAXA You Tube Channelで確認出来るのですが、最優秀賞を授与された森琢磨氏のビジネスプラン部門⑧「ロケット海上打ち上げ」の要点をお伝えします。
「2030年までに小型衛星打ち上げ市場は13兆円に成長するが、6兆円分は供給不足。小型ロケット開発は躍進しているが、打ち上げ施設が追い付いていない。一方で海底油田開発の海洋掘削リグは余っていて、現在は40%が待機状態。中古市場で、海洋掘削リグは数億まで下落しており、作業料も半分程度。海上打ち上げ施設単体の民間運用は世界初であり、需給が不均衡にある今がチャンス。6.3億円程必要だが、4年の回収計画を立てている。」審査項目である収益性,革新性,社会発展性の3つの条件を満たした素晴らしいプレゼンテーションで、会場にいた投資家も関心を寄せていました。
 

 
スペシャルトークショーでは、S-Booster 2017受賞者による事業進捗報告がありました。大賞を受賞した松本紋子氏はじめ皆様の事業化までの試行錯誤が具体例で語られました。モデレータの青木英剛氏のまとめの言葉として「やるかやらないか。やらなければ紙屑同然。1万分の3位しか成功しないが、どれだけ信念を持ってやれるかが大事。」と昨年の受賞者を激励していました。
 
3年目となるS-Booster 2019は、アジア・オセアニア地域からも宇宙ビジネスアイデアを募集します。S-Boosterの飛躍から、今後の日本の宇宙ビジネスに期待したいと思います。