宇宙ビジネスコート EoX=インバウンドナイト

2018年10月31日に宇宙ビジネスコート主催(一般財団法人宇宙システム開発利用推進機構が運営)のEoX=インバウンドナイトが開催されました。第1回目EoX=未来都市ナイトに続いての第2回目となります。

今回のテーマはインバウンドですので、地球観測データを活用した訪日外国人旅行客ビジネスとなります。
徹底討論を期待され、インバウンド分析の先駆けである株式会社ナイトレイの大橋正治氏と統計テックの第一人者である京都大学の佐藤彰洋氏のトークセッションが行われました。クロストークの前提として、2020年のオリンピックイヤーまでに実現できるビジネスを検討し、Eoデータ,統計メッシュデータ,SNSデータ等、すぐに使えるデータで示すことも大切かと思います。

司会から「標高データ、統計データ、SNSデータを使った分析でどんなことができるでしょうか?」「スポーツに関連したリゾート開発・評価については?」などの質問が二人のゲストに投げかけられます。
大橋正治氏は「SNSデータは、まず仮説をきちんと決め、その後合っているかどうかを探す必要がある。」「スポーツの交流は面白い。自転車やスキーなどは標高が大事なので。」との意見。
佐藤彰洋氏は、「一般論として、データはストーリーをつくる。ストーリーができると、デザインができる。だから、いかにストーリーをつくれるかがポイントとなる。」「スポーツはスケールが大きい。ゴルフやハイキングなどは衛星データにどんぴしゃなのでは。」との見解。
実際に長野県SNS投稿の国別ランキング(年間)では、1位がタイ,3位がオーストラリアです。目的は雪とスキーのため、観光客も冬の時期に偏る傾向があります。又、気候変動に注目すると、長野県には気温上昇があります。長野市の気温が、かつての甲府市に近づいているので、ワイナリーの発展も観光ブランドになる可能性があります。

そうしたデータ分析事例の結果、①新しいワインブランドの確立に衛星データを活用、さらに宿泊を伴う周遊プランと連携②スキーリゾートの魅力を十分に伝えるための通信環境を整備、インフルエンサーを意識したプロモーションで雪のないアジア圏の方をさらに取込みなどがトークのまとめで長野県へ提言されました。

長野県商工会議所の職員の方も参加されていて、参考になる点が多かったと話しておられたのが印象的でした。同様のデータ分析を福井県でも実施しておりましたが、各都道府県の観光担当者に新たな視点を与えたのではないかと感じました。地方活性化の起爆剤になるかもしれません。