NASAのアルテミス計画の月面ランダーの企業3社決まる!
2020年5月1日、アメリカ航空宇宙局NASAは、アルテミス計画における月面ランダーの開発企業を3社選定したと報じた。
https://www.nasa.gov/press-release/nasa-names-companies-to-develop-human-landers-for-artemis-moon-missions
以前、Space Bizニュースでも紹介したが、アルテミス計画とは、NASAが進める有人月面プロジェクトで、アポロ計画以来の一大プロジェクトだ!月面に人を送るために必要な技術やコンセプトを企業に提案させ、NASAが選定したのだ。では、その選定された3社とはどこだろうか。Blue Origin、Dynetics、Space Xだ。
この3社の月面ランダーは、それぞれ異なるようだ。いろいろな工夫が見られる。
Blue Origin
ジェフベゾスがCEOを務めるNew Spaceの企業だ。Blue Origin自社の超大型のNew Glennロケットもしくは、ULAのVulcanロケットで輸送できる、Integrated Lander Vehicle (ILV) という名称の3段式のランダーを開発するようだ。確かに3段式ということもあり、縦方向に長い設計となっている。
Dynetics
ULAのVulcanロケットで輸送できるタイプの月面ランダーで、Dynetics Human Landing System (DHLS) という名称のようだ。このランダーは、Blue Originとは異なり、1段式であり、浮上もできるランダーのようだ。太陽光発電パネルが縦方向に2つ設置されているのが特徴的だ。
Space X
Space X Super Heavy rocketという自社製のロケットで、ランダーの機能を有しているStarShipを提案したようだ。StarShipは、読者の中には、他の記事でも見たことがあるかもしれない。StarShipは、宇宙空間、火星などへの宇宙旅行用や東京-NY間を37分で結ぶ高速海外旅行用にも用いられる予定だ。
■Human Landing Systems
(出典:NASA)
これら選定された企業を見て、読者は何に感じるだろうか。
やはり、New Spaceの時代に活躍している企業が多く選定されていることに、気がつくだろう。もうアポロ計画で活躍した企業というよりは、Space XやBlue OriginなどのNew Spaceの時代にリーダーシップをとっている企業が選定されていることに注目したい。ちなみに、Dyneticsは、1974年とOld Spaceの時代から宇宙開発に携わってきた老舗企業だ。そのため、アメリカの宇宙産業を支えた技術力や実績は素晴らしいものがある。
なんとなくだが、この3社の提案されたランダーのデザインスケッチを見ると、どの企業の提案なのかがある程度わかってしまうのも、興味深い。