小型ロケットのグローバールリーダーRocket Labが、小型衛星コンポーネントメーカSinclair Interplanetaryを買収した理由とは?
2020年3月16日、小型ロケットベンチャーのグローバルリーダーであるRocket Labは、小型衛星のコンポーネントベンチャーSinclair Interplanetaryを買収したと報じました(ニュースリリース)
Rocket Labとは
Rocket Labは、米国カリフォルニア州に拠点を置く小型ロケットや各ペイロード輸送に関するビジネスを展開しているベンチャー企業です。この分野においては、グローバルリーダーとして位置付けられている有名な企業で、自社製ロケットElectronは、世界No.1の実績のある小型ロケットと言っても過言ではありません。それ以外にも、Protonという小型衛星プラットフォームを使ったライドシェアビジネスにも力を入れています。
一方、買収されたSinclair Interplanetary)は、カナダのトロントを拠点とする小型衛星などのコンポーネントを製造するベンチャー企業です。
ニュースのポイント
一見すると、ロケットと衛星という違った分野において、なぜロケットベンチャーが衛星コンポーネントベンチャーを買収するという事象が発生したのでしょうか。
ひとつは、Rocket Labは、Sinclair Interplanetaryの顧客を小型ロケットElectronによる顧客として囲い込みたい狙いがあるとみれます。近年、大型衛星による小型衛星の大量打ち上げが頻繁に行われており、小型ロケットの存在意義を消し去ろうとする動きも世界ではみられ始めているからです。Rocket Labは、Protonという衛星プラットフォームを使って、ライドシェアービジネスに力を入れていることは先に述べましたが、これにより一度に多くの小型衛星を輸送したい狙いがあります。
もう一つは、Sinclair Interplanetaryの小型衛星コンポーネントをRocket Labが輸送ビジネスに活用する可能性です。Rocket LabのProtonには、スタートラッカーやリアクションホイールなどSinclair Interplanetaryが得意とする小型衛星用のコンポーネントを搭載することで、ライドシェアビジネスの成功を加速させることができるのではないでしょうか。
まとめ
New Spaceの分野において、小型ロケットと小型衛星の両ベンチャーが連携することでWin-Winの関係を構築しようとするシーンが増えてきました。同様のニュースが今後も増える可能性が高い。