楽天も衛星ビジネスに参入! Vodafoneと共に AST & Science へ$110M出資!

2020年3月3日、AST&Scienceは、楽天、Vodafoneから$110Mの出資を受けることが決まったとプレスリリリースで報じました。

AST & Scienceとは

米国のテキサス州に拠点を置く、衛星によるモバイル通信を計画する宇宙ベンチャー企業です。American Tower、Cisneros、Samsung NEXT、そして、AST & Science のファウンダーであるAbel Avellanから、総額で$128Mの資金調達に成功しています。
 
AST & Scienceが計画する衛星モバイル通信 は「Space Mobile」と呼ばれています。低軌道に通信衛星を100機以上打ち上げてコンステレーションを形成し、衛星とスマートフォンのみで、低遅延でスタンダードな通信を実現しようとする計画です。現在の衛星通信は、地上にある基地局や別の端末を経由して通信を行っています。この計画が実現すると、衛星とスマートフォンのみで4G、5G通信を実現する世界初の企業になります。
 

ニュースのポイント

楽天が本格的に宇宙ビジネス参入

日本の衛星通信を行う事業者といえば、大手キャリアであるNTTドコモ、auがすぐに思い浮かぶと思います。従来から、衛星通信を手がけてきた日本の衛星通信における先駆者たちです。今やその一員であるソフトバンクも OneWeb と共に、中型衛星を1,200機程度宇宙へ打ち上げることで実現するグローバルブロードバンド環境の整備を開始しています。
 
そして今回、楽天も上記のような企業と同様に、携帯ビジネスを中心としながら宇宙ビジネスに参入したのです。これはまさに既存の事業を延長・拡張するタイプの宇宙ビジネス参入と言えます。宇宙以外の業種が、宇宙ビジネスで出来ることを自社の事業にうまく取り入れていくひとつの参考になればと思います。
 

自前の衛星でプロジェクトを計画

「Space Mobile」プロジェクトで検討されている衛星は、テキサス州にあるAST & Science 自社工場で衛星を製造しているといいます。 この点が他の企業には見られない傾向です。利用する衛星は、Iridium NEXTと呼ばれる860kg級の衛星よりも大型の衛星のようです。すでに実証用の小型衛星 Bluewalker-1 を2019年4月にインドのPSLVロケットで打ち上げ、この衛星通信技術が、携帯と直接通信できることを立証しているという。
 

まとめ

宇宙ビジネス業界、一般の方にとっても興味深いニュースが飛び込んできました。楽天が通信事業を本格的に稼働し、これからどんなサービスを画策、展開してくるのか非常に楽しみです。