Northrop Grumman燃料補給衛星MEV-1が静止衛星Intelsatにドッキング成功!衛星の寿命が伸びる時代到来から予想される未来とは?
2020年2月26日、Northrop Grumman(アメリカ)は、燃料補給衛星MEV-1が静止衛星Intelsat 901とのドッキングに成功したと報じました(ニュースリリース)。
ノースロップグラマンとは
宇宙ビジネスに携わっている方であれば、Northrop Grummanを知らない人は少ないと思います。宇宙に関わらず陸海空とサイバーを含めた全ての空間でサービスを行っている米国企業です。軍用機、ミサイル、人工衛星、サイバー関連を手掛けている世界トップクラスの重工業系企業で、1927年設立の老舗中の老舗企業です。
MEV-1とは、Northrop GrummanとNorthrop Grummanの子会社であるSpace Logistics LLCによって開発された燃料補給衛星です。静止軌道で運用をされていた通信衛星Intelsatに対してドッキングし、MEV-1に搭載された燃料をIntelsatに補給することができる新しい概念の衛星です。2019年10月9日に打ち上げられ、電気推進のため、数ヶ月かけてゆっくりと静止軌道に向けて進んでいきました。
今回の燃料補給によりIntelSat901は、さらに5年の寿命を伸ばすことができるといいます。
燃料補給衛星が、宇宙ビジネスにある革命を起こすトリガーになる可能性
現在、軌道を問わず衛星は、大なり小なり軌道上で不具合は発生するものの、設計寿命を全うするケースが多なってきています。その反面、運用できる状態にあるに関わらず、軌道や姿勢を制御するために使用する燃料が枯渇するために運用を終えるケースが増えてきています。これにより、再度、燃料を再充填することが宇宙空間でできるようになれば、さらに衛星運用の寿命が延び、コスト削減にも繋がるとても有益な施策となります。
また、宇宙空間にこのようなガソリンスタンドのような概念ができれば、従来の衛星が使い捨てであったという概念が終焉を迎え、衛星のリース、シェアリング、中古販売などの様々なビジネスも将来的に実現する可能性が高くなります。すでにOrbital Fabという宇宙空間でロボット技術により燃料補給サービスを行おうとするベンチャー企業も登場しています。実際に、国際宇宙ステーションISSで、水を使った燃料補給の実証実験に成功しています(ニュース)。
まとめ
衛星の需要が拡大するにつれ、燃料補給衛星に取り組む企業も増加するかもしれません。そして、その燃料補給から派生する様々なサービスが多くの民間企業から立案されるでしょう。