コペルニクスインフォシリーズ 都市化×衛星ビッグデータ
2018年9月18日にCopernicus Info Series~都市化×衛星ビッグデータ(EUの実例紹介含む)~をテーマにしたセミナーが開催されました。
今、世界では、Urbanisation(都市化)という問題が深刻化しており、逆に地方は過疎化の方向に進んでおります。この傾向は、日本だけでなく欧州をも含む社会問題になりつつあります。プログラム内では、欧州地球観測システム「コペルニクス」の概要、最新レポートを交えながら、これを解決する宇宙利用事例などが紹介されました。
コペルニクスの概要
最初のコペルニクス概要紹介は、日欧産業協力センター事務局長のフィリップ氏から「コペルニクスは衛星データだけではなく、データ作成もしている。世界中で完全無料であること。そして、JSS(一般財団法人宇宙システム開発利用推進機構)と協力関係にある。」と上記の3点を特に強調しておりました。
コペルニクス利用事例紹介は、JSSの欧州担当者が電気事業者活用事例(フランス),水道管管理活用事例(デンマーク),大気汚染活用事例(イギリス)などを解説しました。事例のフランスの太陽光パネル発電量推計システムは、課題となっていた太陽光パネル導入における費用対効果分析のコストを解決出来る内容を提供しております。年間の日射量をもとに最低発電量を算出するのは衛星ビッグデータならではと感じました。
コペルニクスデータ利用紹介は、JSS技術担当者がSentinel-2(欧州),ASTER(日本),Landsat8(米国)などの解像度の違いを説明しました。それぞれの特徴として、Sentinel-2(欧州)は植物に、ASTER(日本)は鉱物に適しており、Landsat8(米国)は1970年からの歴史が強みのようです。コペルニクスは、1000以上のデータがあり、データ量が多すぎて目的にたどりつけないこともあるので、今後は使い勝手の改善が不可欠かもしれません。
衛星データの活用
衛星データの活用事例紹介では、株式会社パスコの濱口氏からお話がありました。現在、衛星等のあらゆるスケールのデータから機械学習技術による解析の自動化を実施しており、都市開発やインフラ整備に役立つサービスを提供しているようです。私が特に印象に残ったサービスは、衛星画像から人口や世帯数を推定するものです。具体例でジャカルタを挙げておりましたが、発展途上国は人口が明確ではないので、国家の基礎データ作る上でも、これから大きく貢献すると思います。総括すると、宇宙からの視点で地球を見ると、新しい価値を生み出せるかもと参加者の意欲がわくセミナーだったと言えます。