Space X、OneWeb、Amazonらが計画するグローバルブロードバンド衛星サービスに向けて、地上局企業も競争激化

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衛星コンステレーションと5G

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Space X、OneWeb、Amazonらが計画するグローバルブロードバンド衛星サービスに向けて、地上局企業も競争激化

2020年1月29日、米国の通信事業者Comtech Communicationsは、Gilat Satellite Networksを$532.5 Millionで買収したとニュースリリースを出しました。

Comtech Communications(以下、Comtech)は、米国のニューヨークに拠点を置く通信事業者です。1967年に創業し、1,000人規模の従業員を抱える大きな企業です。一方、買収されたGilat Satellite Networksは、イスラエルの衛星通信に関する地上局関連の企業です。衛星通信の地上局関連の装置を30年以上手掛けている世界のリーディング企業の一つです。

また、Comtechは英国の地上局のアンテナ製造企業のCGC Technologyも買収したという報道や、カナダのUHP Networksも買収したという報道もあります。

買収をすすめるComtechの狙い

Comtechは、なぜGilat Satellite Networksなどの企業を買収しているのでしょうか?。その理由は、SpaceXやOneWeb、Amazonの計画しているグローバルブロードバンド衛星サービスにビジネス性を感じているためと言われています。

Space Xは3万機、Onewebは1260機(2018年にFCCへ申請)、Amazonは、3000機以上という膨大な数の衛星が打ち上げられると、その衛星の運用にも相当の規模、数の地上局インフラが必要となります。

衛星は数年で設計寿命を迎えるため、将来的に打ち上げる衛星も高頻度になっていきます。そうすると、地上局での衛星運用は半永久的に続き、ビジネスの規模も大きくなり、他の通信との連携も可能になります。その背景には、5Gの通信環境に少しでもアドバンテージを持てるようにという戦略もあるようです。

激化するNew Space

このような動きは、Comtechだけではありません。その他にもシンガポールに拠点を置くST Engineeringは、同様の理由でベルギーのNewtec Group NVを買収しています(ニュースリリース)。

SpaceX、OneWeb、Amazonの構想は、当初は専門家の間で「実現可能なのか?」という意見があったことは確かで、Old Spaceの多くの人間が下記のような疑問を持っていました。

・これだけの数の衛星をロケットで打ち上げられるのか(ロケットのタイプ、ロケットの数、どのようにフェアリングに搭載するのか、どのように分離するのかなど)
・これだけの衛星数の運用はどうするのか
・それを運用する地上局はどうなるのか
・ビジネス性はあるのか
・周波数は確保できるのか
・国際調整はうまくいくのか
etc…

しかし今や、自社だけでのビジネスではなく他の企業まで巻き込んだ世界の一大インフラプロジェクトになっています。このように民間企業が、リーダーシップをとって様々な世界の企業を巻き込んでプロジェクトを始動していくことは、Old Spaceの時代では皆無でしたが、New Spaceの時代はどんどん増えていくと予想されます。

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