宇宙ビジネスコートビジネス交流会『コペルニクスインフォセッション』

2018年7月24日に東京で第2回宇宙ビジネスコートビジネス交流会が開催されました。

主催は、一般財団法人宇宙システム開発利用推進機構です。宇宙産業の関係者だけでなく、宇宙ビジネスに興味のある方々が100名程集まり、盛況な懇親会となりました。ビジネス交流会だけなら私が敢えて記事を書く必要もないのですが、交流会の中でコペルニクスインフォセッションがありましたので、簡潔にご報告したいと思います。

コペルニクスとは、欧州連合(EU)による全地球の環境監視と安全保障が目的である地球観測プログラムの総称です。地球観測のデータプラットフォームは、陸域観測・海域観測・大気観測・危機管理・気候変動・安全保障の6分野があります。

オープンフリーのため、全世界でデータ入手は無償で商業と研究の両方で活用出来ます。利用出来るプラットフォームは商業用のDIASと研究用のRUSがあります。DIASは民間プラットフォームで、RUSの方は公共プラットフォームなので、用途やサービスにも違いがあります。
宇宙ビジネスを検討している方には、商業用のDIASに関心を持たれるかと思います。DIASの基本機能としては、データの検索とカタログサービス・データプロダクト詳細説明・データダウンロードサービス・ヘルプデスクサービスなどが無償サービスとなっております。

コペルニクスの活用事例では、①都市における空気質モニタリング②農業保険③赤潮の発生をモニタリング④建設現場情報を衛星から取得の4つを紹介いただきました。

③の事例は、アイルランドの海洋研究所が赤潮の発生予報サービスを提供しております。精度は100%達成しているようなので、養殖業者の被害対策に大きく貢献していきそうです。

④の事例では、ドイツの企業が世界中の建物の建設計画の検索アプリを開発し、データベース化しています。建設の進捗状況も日々確認出来るので、建物に関連したビジネス業者の営業に少なからず役立っております。

活用事例を見ても、様々な分野で助けになっているので、公的機関だけでなく民間企業でも利活用が進んでいく流れになっております。欧州委員会は、2018年6月6日にコペルニクス開発のための58億ユーロの予算を含む新しい宇宙計画を発表したとのこと。新たなニーズを満たすためのサービスの拡大に期待が持てます。