ロケットの射場は将来どうなる?!米国ABL Space SystemsがAFRLと画策する「Remote Launch」とは

2020年1月9日、米国AFRL(Air Force Research Laboratory)は、ABL Space Systemsと将来の小型ロケットについて共同研究を実施していくことで合意したと報じました。

ABL Space Systemsとは

ABL Space Systemsは、2017年に米国カリフォルニア州に設立された小型ロケットの打ち上げを行うベンチャー企業です。CEOであるHarry O’Hanley氏は、SpaceXでランディングシステムの開発を手掛けていた凄腕のエンジニアです。また、チーフエンジニアDarin Van Pelt氏もSpace X出身で、Falcon9のエンジン系のエンジニアで過去にLockheed Martinでミサイル開発も手がけていたこともあるそうです。

ABL Space Systemsは、現在RS1ロケットを手がけています。RS1ロケットは、全長約26m、直径1.8mの2段式ロケットで、推薬として液体酸素/ケロシンを採用している。1.2tのペイロードをLEO(低軌道)、400kgのペイロードをGTO(静止トランスファー軌道)まで輸送することが可能です。

2019年2月には、コスト削減策を発表しており、打ち上げコスト$17M(約17億円)だったのが$12M(約12億円)まで下げることに成功しています。その方策が、部品部材の調達、テスト方法など、独自のサプライチェーンを確立したことだという。

将来の射場ビジネスのトレンド

そんなABL Space Systemsは、AFRLと何を画策しているのでしょうか。それが、「Remote Launch」です!AFRLが実施したいのは、「直ぐに、どこでも、短時間にロケットを打ち上げられること」なのだそうです。これが「Remote Launch」という定義のようです。現在のロケットを打ち上げる射場は、打ち上げる場所が決まっていて、しかもそこには、ロケットを打ち上げるための施設、設備が整っています。日本だと種子島、内之浦、大樹町です。

この動きを見ていると、詳細はまだ不明ですが将来のロケットロンチビジネスとしてのトレンドは、固定地点としての射場ではなく、いつでもどこでもインスタントに打ち上げられる射点として世界は動いていくのかもしれないと感じます。