宇宙ビジネス超入門~今、注目される宇宙ビジネス~

2018年6月8日に大阪で第51回NCWG(ニッポンクラウドワーキンググループ)の開催がありました。
その中で、一般財団法人宇宙システム開発利用推進機構の戦略企画室長兼宇宙ビジネスコーディネーターである髙山久信氏がゲスト講演されました。
髙山氏は、宇宙事業分野の宇宙探査、宇宙ステーション計画、天文観測望遠鏡等数多くの政府系プロジェクトに携わってきたので、宇宙ビジネス業界の第一人者と言えます。

<主な講演テーマ>
自己紹介・機構の紹介
宇宙ビジネスで何が起こっているのか
注目される衛星データ利用ビジネス
宇宙ビジネスコートの役割

機構の紹介

機構が目指すのは、下記3つの方向で宇宙関連産業の拡大に向けた活動を目的としており、米国NASAや欧州委員会とも協力しているようです。

①宇宙産業のための宇宙技術の進化を推進する組織
②宇宙技術・衛星データの社会実装を推進する組織
③新技術の事業化と国際競争力の強化を推進する組織

宇宙ビジネスで何が起こっているのか

ここ数年では、政府資金から民間資金へ,非宇宙系企業が宇宙ビジネスへ参入,ビッグデータとしての衛星データ利用などが主要な傾向に見えます。法律や政策の方も、2016年宇宙活動法、2017年宇宙産業ビジョン2030,衛星リモセン法、2018年宇宙産業政策パッケージと毎年のように施行されています。

注目される衛星データ利用ビジネス

日本国内の衛星データ×ICTソリューションの市場規模調査(位置情報データと地球観測データを含む)では、2015年度約3,500億円で2020年度約6,500億円と数年で倍増する調査結果が出ております。

現在の衛星データ利用における課題は、衛星データ利用環境が未整備,衛星データ解析の人材不足,衛星データの有効性の未認知を挙げておりました。衛星観測データ活用事例として、日本ではお米の食味向上・漁業探査システム「エビスくん」,米国では駐車場の混雑情報を小売業績予測に活用・世界の石油備蓄量データを投資に活用, イギリスでは建物の老朽化と改修情報提供,ドイツでは水質モニタリングマップサービスなどが紹介されました。

宇宙ビジネスコートの役割

最後に宇宙ビジネスコートの役割を述べられました。人材育成・勉強会,利用周知,エンジニアリングデータ提供,起業支援,出展・情報発信,アドバイザーネットワーク,サイト維持,国内外連携,事業化相続・共同研究,シンポジウム・講演などをワンストップサービスで提供しているようです。

まとめ

今回の講演では、IT業界の方々に宇宙ビジネスの魅力を語っていたのがとても印象的でした。宇宙ビジネス活性化の起爆剤になるかもしれません。