宇宙言語シリーズ2 古代言語と宇宙言語の関わりとは?

 前回の記事では、人間側が主体となって宇宙人とのコミュニケーションを行う可能性について考察してきましたが、宇宙人の側が人類と言語を介して接触したことはあるのでしょうか? 今回の記事では、「宇宙言語」が地球に残した痕跡の可能性について考察していきます。

アダムスキーの金星文字と、古代エチオピアのメロエ文字


情報源:https://gasite.org/library/ucon122/

 宇宙人自身による言語として最も有名なのは、元祖コンタクティであるジョージ・アダムスキーが金星人から託されたと主張している「金星文字」です。砂漠に残された金星人の足跡の中に刻印されていたとされる独創的な記号は、世界中のUFO愛好家によって研究されています。アダムスキーは毀誉褒貶のある人物ですので、彼一人の証言では不十分に思えますが、実はこの「金星文字」にはもう一人有力な証言者が存在します。

 それはフランスの考古学者マルセル・オメ教授です。彼は1949年に南米のアマゾン奥地を調査している際にペドラ・ピンターダと呼ばれる巨大な奇石を発見し、その周辺にあった石器に刻まれた記号を写し取ったのですが、それが後に金星文字と酷似していることが判明したのです。オメ教授の発見はアダムスキーによる金星文字の発表よりも前であり、二人はお互いに交流がなかったため、この一致は衝撃的な事実として受け止められました。

情報源:https://gasite.org/library/ucon122/

 アダムスキーとオメ教授の発見した文字と、アフリカのエチオピア周辺の地域にかつて存在したクシュ王国で用いられていた「メロエ文字」には奇妙な類似が見られます。前8世紀に誕生した黒人最古の王国としてのクシュ王国(後にメロエ王国)は4世紀にアラビア半島から侵攻したアクスム王国によって滅ぼされてしまいましたが、クシュ語由来の語句は現在エチオピアの事実上の公用語となっているアムハラ語の中で今も生き続けています。メロエ文字自体はヒエログリフを独自に改良した文字だと推定されていますが、現時点では未解明の言語となっています。アフリカの古代の叡智は口伝によるため賢者の死によって継承が途絶えてしまうという宿命を背負っていますが、メロエ文字の解明が進めば、アフリカの古代文明の実態が明らかになる可能性があります。

情報源:https://the.nacos.com/information/character/charset/100.php

シュメール語と日本語の奇妙な類似

 古代文献に詳しいゼカリア・シッチン博士は、「45万年前にアフリカの金鉱山の採掘を目的に地球に到来したアヌンナキという宇宙人が、自らの遺伝子と地球人の遺伝子を組み合わせたハイブリッドとして地球人を創造した」という説を提唱しました。シュメールの遺跡では手術あとのある頭蓋骨や粘土板に刻まれた医学書、ビールやワインが飲まれていた形跡も発見されているので、非常に高度な文明が発達していたことが伺えます。彼が人類最古の文化として注目した古代シュメール文化、及びそこで用いられているシュメール語は、その仮説からすれば「宇宙語」の痕跡を残していると考えられます。なお、爬虫類型宇宙人(レプティリアン)との恐怖に満ちたコンタクトを描いたモキュメンタリー映画『フォース・カインド』では、シッチン博士の説に基づいてシュメール語で話すレプティリアンの音声が登場します。
 ところが、シュメール語が驚くほど日本語に似ているという事実は、意外にも知られていません。「〇〇を(目的格)」「〇〇が(主格)」などといった助詞の付加によって格を表現する「膠着語」としての性質を共有する他にも、表意文字としての『漢字』と表音文字としての『ひらがな』を併用し、漢字には音読みと訓読みに当たる複数の読み方を持たせるというスタイルも共通しています。なお、ここではシュメール文字が漢字、アッカド文字がひらがなの役割を与えられています。語彙の面でも、「スメラギ」「スメラミコト」「ミカド」「アキツカミ」などはシュメール語由来との説があり、口に出してみると「確かに」と思わせる面があります。ちなみにアッカド語は最古のセム語として知られており、現在ではヘブライ語、アラビア語、先ほどご紹介したアムハラ語の中にその痕跡を残しています。
 なお、言語的な特徴の他にも、シュメール王朝の紋章と日本の天皇家の「菊の御紋」と16弁の花弁という点で共通していたり、三種の神器に似たものがシュメールにも存在したりなど、シュメール人と日本人の文化的類似性は多数指摘されています。ゲノム解析技術の発展による民族の遺伝的起源の解明が進むことで、今後さらにこの奇妙な繋がりの実態が解明されていくかもしれません。

ロズウェル事件とレンデルシャムの森事件に共通するヒエログリフ状の文字

 近年ではUFO目撃事例の中に、「UFO表面に文字が描かれていた」という報告も一部含まれています。その中でも具体的な報告が挙げられているのは、1947年にアメリカ・ニューメキシコ州で起きた「ロズウェル事件」と、1980年にイギリスのサフォークで起きた「イギリスのロズウェル」として知られる「レンデルシャムの森事件」です。 

情報源:https://www.express.co.uk/news/weird/742239/Roswell-Rendlesham-UFO-hieroglyphs

 画像左がレンデルシャムの森事件、画像右がロズウェル事件でそれぞれ目撃されたとされる文字ですが、どちらも図像的な点が特徴です。UFO研究家のJane Kyle氏によれば、UFO目撃者の中でこのような「ヒエログリフ状」の文字を目撃した事例は多数報告されているようです。また、メキシコにある「宇宙人博物館アリステア」に収集された数々のオーパーツの中には、ヒエログリフを彷彿とさせる文字が描かれた石が含まれています。その石はメキシコのハリスコ州北東に位置するオフエロスで発見されたもので、約3000年前のものと推定されているそう。古代メキシコにエジプトのヒエログリフと似たものが存在したとすると、宇宙人による干渉の可能性がちらつきます。
https://web-mu.jp/history/30855/

 ヒエログリフは現在使われている文字の大半の親玉となった文字であり、フェニキア文字を経てアラビア文字、ラテン文字(アルファベット)、キリル文字、ルーン文字へと分化していきました。また、別の分岐としては、先ほどご紹介した古代エチオピアのメロエ文字、古代ギリシアの線文字Aにも分岐したとされていますが、これらの文字はどちらも未解明です。ヒエログリフ自体が解明されたのが19世紀のことで、ナポレオンがエジプト遠征のお土産として持ち帰ったロゼッタ・ストーンを、早熟な言語学者のシャンポリオンが読み解いたことによる奇跡といっても良い成果でした。近い将来に発掘技術が進むことで新たなロゼッタ・ストーンが見つかり、思わぬ展開と歴史の書き換えが起こる可能性も十分に存在します。

水中考古学の発展とアメリカによるグリーンランド購入がもたらす新たな「ロゼッタ・ストーン」の可能性

 近年では、潜水技術の進歩によって、水中に沈む沈没船や遺物を発見する「水中考古学」という分野が注目を集めています。風化による影響や人間による破壊・盗掘などを受けやすい陸上の遺跡に比べて、水中に沈んだ遺跡は「タイムカプセル」といっても良いほど保存状態がよく、現時点ではタイタニック号、スペイン・アルマダ艦隊、コロンブスの船などがユネスコによって水中遺産として保護されているそうです。また、元寇の際に沈没した元の船が眠る鷹島海底遺跡も近年解明が進んでおり、日本の歴史に新たな発見をもたらす可能性を秘めています。伝説上のムー大陸やアトランティス大陸の痕跡が仮に発見されれば、未来の「ロゼッタ・ストーン」として古代史とその宇宙との関わりがさらに解明されていくかもしれません。
 また、「水の中」に次ぐ新たなフロンティアとしては「氷の下」も考えられます。その代表例がグリーンランドです。イギリス、ブリストル大学の自然地理学教授ジョナサン・バンバー氏によると、グリーンランドの氷の下にはグランド・キャニオンの二倍の規模の巨大な渓谷が存在し、約400万年前に地表が氷で覆われる以前は水が流れていたことが推測されるようです。メソポタミア文明や黄河文明をはじめとする古代文明の多くが「川」のもたらす豊富な恵によって文明を建設していたことから考えると、もし当時そこに人類が存在していたとしたら文明が残されている可能性は否定できません。ただし、現在の科学上の知見ではネアンデルタール人の出現が約50万年前から30万年前とされており、400万年前〜300万年前は猿人(アウストラロピテクス)の時代とされていますので、可能性は低いと言わざるをえませんが…。なお、冷戦時代に米軍はグリーンランドの氷床の下に核ミサイルを配備するための軍事施設の建設を極秘裏に進めていたことが明るみに出ており、トランプ大統領によるグリーンランドのアメリカ併合が実現すれば氷床の下に広がる新たな事実が発見されるかもしれません。

 いかがでしたでしょうか。次回の記事では、人類による「創作」の宇宙言語をテーマに、SF映画の中の宇宙言語をご紹介していきます。お楽しみに!