JAXAニュース ~「みんなのロケットパートナーズ」始動~
インターステラテクノロジズ株式会社は、従来よりも低コスト(1回あたり約6億円以下を想定)かつ高頻度で超小型衛星を打上げ可能な宇宙輸送事業の実現をミッションとして掲げており、この実現にむけ衛星軌道投入ロケット「ZERO」の開発を現在進めております。すでに開発完了段階にある観測ロケットMOMOと比較して、「ZERO」はより機体サイズが大きく、打上げ能力が高いロケットで、開発難易度もMOMOと比較すると高くなります。そして、この度、ミッション・事業に共感していただいた企業・団体によるサポートチーム「みんなのロケットパートナーズ(略称:みんロケ)」が始動しました。
このミッションの成功を堅固なものとしていくために、ロケット開発に必要な設計、製造、運用、営業など、各領域に深い知見をもち、ミッションの重要性を互いに共有できる企業・団体のサポートにより、「ZERO」の開発を加速させていきます。なお、2019年3月19日時点では8企業・団体がパートナーとして参加しています。今後も、事業に共感・賛同いただける企業や団体を募集し、日本の宇宙産業全体の発展と国際競争力向上に向け、邁進していきます。
■「ZERO」について
現在開発中の100kg以内の超小型人工衛星を地球周回軌道(低軌道)に投入するロケットです。MOMOと比較すると、機体重量は約30倍、エンジンの出力は約50倍とMOMOよりもはるかに大きいロケットです。(ただし、世界に数多くあるロケットの中では超小型ロケットの分類)また、商用化を見据え、搭載する衛星の仕様に応じたカスタマイズ性の向上や総合的コストの低減を目的に液体燃料エンジンを採用する予定です。商用化時には1回あたり6億円以下の打上げ費用を想定しています。なお、現在「ZERO」は基本設計段階にあり、今後エンジンや機体の試作、試験、改良などのステップを経て、2023年を目標に初号機打上げを実施する予定です。
<「ZERO」想定仕様>
全長 :22m
全備重量 :35トン
ペイロード:100kg
打上げ費用:一回あたり6億円以下
■みんなのロケットパートナーズ設立時パートナー一覧
・丸紅株式会社
・北海道大樹町
・レオス・キャピタルワークス株式会社
・株式会社日本創生投資
・株式会社キャステム
・株式会社ユーグレナ
・株式会社バスキュール
・国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)
■JAXAの主なサポート内容
JAXAの共創型研究開発プログラム「宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)の枠組みのもと、ZEROの開発に向けたコンセプト共創活動を開始しました。低コストロケット技術の獲得を目指し、インターステラテクノロジズ株式会社及びJAXAがそれぞれ研究開発テーマを掲げ、JAXAのロケットエンジン研究開発拠点である角田宇宙センター(宮城県)にて試験等を行います。ロケットエンジン設計の中でも重要パーツである「ターボポンプ」(液体燃料を混合・圧縮する装置)を中心に、安定した性能を有し、かつ低コストでのロケットエンジン製造を可能とする技術・設計の確立を目指します。