宇宙ゲームシリーズ2 広がる銀河で冒険しよう:宇宙を舞台にしたRPG特集

みなさん、こんにちは。本連載では、たくさんの「宇宙ゲーム」を紹介していきます。

今回の記事でご紹介するのは、Nintendo SwitchやPS4をはじめとした専用ゲーム機でプレーできるRPG。最先端のCG技術を駆使した圧巻のグラフィックで驚異的な没入感を演出するゲームを中心にご紹介していきます。

①可能性は無限大! 何かとリアルなオープンワールド宇宙ゲーム『Starfield』

https://store.steampowered.com/app/1716740/Starfield/?l=japanese
最初にご紹介するのは、ベセスダ・ソフトワークスが制作した『Starfield』です。
対応機種はMicrosoft WindowsおよびXbox Series X/S。
人類が宇宙で暮らすことが当たり前になった2330年の未来を舞台に、「オープンワールド」形式で展開するゲームです。
本作の特徴は、何といってもその行動の自由度にあります。ゲームを貫くメインクエストはあるものの、拾ったものを売ってお金にしたり、サブクエストをしてお金を稼いだり、何をしても自由。小惑星であちこちに埋まっている資源をはじめ、机に置いてあるペンやメモ帳、紙コップ、置物など、なにげない小道具も1つ1つ拾えてしまうディテールも、本作を際立たせている特徴の一つです。
他のSF系RPGと一線を画す点として、本作には「社会的なリアリティ」がきちんと実装されているところが挙げられます。通常、こうした戦闘要素も含むゲームでは人を殺したりものを盗んだりしても何も言われませんが、このゲームの中では窃盗や民間人への攻撃など、社会のルールやモラルに反した行動をとると、罰金や逮捕など、現実的な結果を招くことになります。プレイヤーはそれを自覚した上で、ルールを破るなら戦略的に破って自らの目標を達成していくことになります。
他の宇宙系シミュレーションゲームと同様、研究開発や宇宙船のカスタマイズなど、やりこめばいくらでも時間を費やせるゲームです。

②原寸大の天の川銀河を駆け巡る『Elite Dangerous』

https://store.steampowered.com/app/359320/Elite_Dangerous/
次にご紹介するのは、Frontier Developmentsが制作した『Elite Dangerous』です。
対応機種はWindowsおよびMacOS。
人類の総人口が6兆人を超えた34世紀の未来に、プレイヤーがたったひとりで宇宙ステーションからスタートするところからゲームが開始します。スペースシップを操作して、「探索」 「配達」「取引」「サルベージ」「旅客輸送」などの通常ミッションから始まって「傭兵」「暗殺」「密輸」などのダーティーなミッションもこなしていくのですが、その操作感がとてもリアル。レーザー砲を間違えて基地内で誤射などすればセキュリティシステムによって蜂の巣射撃を受けてゲームオーバーになります。
このゲームの特徴は、なんといっても「天の川銀河を再現したMMORPG」というそのコンセプトにあります。銀河系の実際の星、惑星、月、小惑星帯、ブラックホールなどを忠実に再現した最強格サイズのマップを舞台に、壮大な冒険を繰り広げることができます。通常、ゲームの宇宙を大きくする場合、実際の宇宙とは異なる別の宇宙という設定で自動生成する場合が多いのですが、本作では実際の銀河系の配置にとことんこだわっている点が差別化ポイントになっています。あまりにもエリアが広いので、発売から5年が経った2020年時点で、プレイヤー全員が探索したエリアの合計が全体の0.04%程度にも満たなかったそうです。銀河の広さを思い知りますね。

③あまりにも広すぎる宇宙を探検する『No Man’s Sky』

https://store.steampowered.com/app/275850/No_Mans_Sky/
次にご紹介するのは、Hello Gamesが制作した『No Man’s Sky』です。
対応機種はPS4、PC(Steam)。
先ほどご紹介した『Elite Dangerous』と違って、こちらはとにかく膨大な「広さ」を誇るインディーズゲームです。そのマップの広さたるや、なんと「317垓平方キロメートル」。垓という単位は10の20乗を表し、億・兆・京の次に来る単位ですが、なかなか耳にすることすらありませんね。さらに惑星の数は1800京個以上に上り、まさにゲーム史上最大の規模となっています。それぞれの惑星はプログラムによって自動生成されているため、たとえ1秒に1惑星を回ったとしても、すべての惑星の動物相と植物相を調べることができるまで5000億年はかかるという、途方も無いゲームですね。何をやっても自由なのですが、その中で宇宙海賊と戦ったり、自分の村を作ったりなど、自分なりの宇宙の楽しみ方を見つけられるのが本作の魅力となっています。
2016年に公開された当初は、「メタバース」というコンセプトの体現者として注目を浴びつつも、マップが広すぎるのと自由度が高すぎるのとで、「むしろ暇になってしまう」と不評だった本作ですが、アップデートを繰り返すことで、徐々に評価が高まり、今では多くのプレイヤーに支持される人気作品の地位を獲得しています。

④銀河全体の征服を目指すグランドストラテジーゲーム『Stellaris』

https://store.steampowered.com/app/281990/Stellaris/
次にご紹介するのは、Paradox Development Studioが制作した『Stellaris』です。
こちらは厳密に言うとRPGではなく、4Xグランドストラテジーゲームと呼ばれる戦略ゲームのサブジャンルとして、eXplore(探検)、eXpand(拡張)、eXploit(開発)、eXterminate(殲滅)の四つの性質を兼ね備えています。
対応機種は、Windows, MacOS X、Linux、PS4、Xbox One。
先ほどご紹介した『No Man’s Sky』がゲームマップの規模において桁違いである一方で、本作 はゲームの「視座」が桁違いな設定です。プレイヤーは一人称的な視点を超えて銀河全体を鳥瞰する視点に立ち、銀河全体を支配する巨大帝国を作り上げることになります。「1日が1秒で過ぎていく」という宇宙規模の時間感覚は、戦略ゲームに慣れた人にはある程度馴染みがあるかもしれませんが、初めての人はギョッとするかもしれませんね。
本作の特徴は、なんといってもその星の種族ごとの生物学的特徴のみならず、その星の社会思想・道徳や技術の進化度合いなどが事細かに設定されているところ。最初は他の惑星の植民がメインとなりますが、領土が広がるにつれて、外交を通じて平和を維持したり、内政を工夫して領土を統治したりすることが中心となってくるリアルな設定は、プレイヤーの知性をくすぐりますね。AIロボットの氾濫や他の銀河からの侵略もイベントとして起こるので、飽きさせない工夫となっている点も見所です。

⑤メカ設計に特化した宇宙版マインクラフト『Space Engineers』

https://store.steampowered.com/app/244850/Space_Engineers/
最後にご紹介するのは、チェコの独立系開発会社 Keen Software House によって制作された『 Space Engineers』です。
対応機種はPS5、PS4、Windows、Xbox One、GeForceNow。
タイトルからもわかるように、このゲームはまさに「エンジニア」に特化した内容。一人称視点で「宇宙船のメカ設計」に特化したサンドボックスゲームとなっています。プレイ開始画面では、ドリル、溶接機、グラインダーなどの工具一式を与えられ、自分の宇宙船を建造することになります。宇宙飛行士として、ジェットパックを装着してジェットを上下左右に噴射して移動しながら宇宙船の修理や改造を行う様子は、『宇宙兄弟』の漫画で親しみのある方は多いかもしれません。メカ建造の自由度がとても高い使用になっているので、熟練プレイヤーの中には映画スターウォーズのスターデストロイヤーを作っている方なども存在するようです。
「宇宙版のマインクラフト」の異名を持つ本作で、自分だけの本格的な宇宙船建造をしてみてはいかがでしょうか。

いかがでしたでしょうか。
次回の連載では、「ゲーム感覚で宇宙技術者を目指そう:研究者も唸るシミュレーションゲーム特集」と題して、研究者も唸らせる本格派の宇宙開発シミュレーションゲームを紹介していきます。お楽しみに!