宇宙人とUFOシリーズ2 なぜUFOは公の場に姿を表さないのか:エイリアンの秘密主義
UFOやエイリアンの存在を疑う理由の大きなものとして、このような疑問があります。 「もしUFOが地球に来ているなら、なぜ姿を隠す必要があるのか?」 「もしエイリアンが地球をはるかに超える技術や知性を持っているなら、さっさと地球に降りてきて地球人を殲滅すればいいのに、なぜしないのか?」 今回の記事では、これらの「エイリアンの秘密主義」にまつわる疑問について考察していきたいと思います。
イスラエル政府高官による衝撃の証言
2020年12月、イスラエル政府の高官であるハイム・エシェド氏が、エイリアンについての衝撃発言をしたことで話題になりました。その内容はというと、「銀河連邦は、人類が宇宙と宇宙船が何であるかを理解する段階に達するのを待っており、それまでは人類の前に姿を現さない」というもの。 一見、月刊ムーから飛び出してきた見出しのように思えるこの内容ですが、この見出しが大手のNBSニュースで大々的に報じられました。何といっても、これを語っているエシェド氏という方は、30年近くイスラエルの宇宙安全保障プログラムの責任者を務め、安全保障賞を3回も受賞した経歴を持つ、極めて信用のおける人物なのです。思いつきで妄想を口走るような方と は到底思えません。 氏の語ったところによると、アメリカをはじめとする世界の主要国政府は「銀河連邦」とのコンタクトを続けており、彼らから反重力技術をはじめとした先端科学技術の供与を受けていることのこと。と同時に、銀河連邦の代表側からは、「このままだと人類は自らを滅ぼすことになるだろうから、一般大衆への情報開示は待て」と告げられているとのこと。また氏は、火星に建設された地下基地にアメリカ人宇宙飛行士と銀河連邦の代表者たちが集まっているとも語りました。 こうした内容を聞くと、にわかには受け入れられないでしょう。ハシェド氏は当時80歳を超える高齢に達していたので、ボケからくる妄想として片付けたくなるかもしれません。しかしインタビューアの記述によれば氏の頭の回転が異常に早く、知性には全く衰えを感じさせなかったということです。なぜこんな大それたことを語る気になったかというと、「もうこれだけの年齢になったからには、失うものがないからだ」ということ。 情報を開示する側の視点に立って考えてみると、このような失うもののない有名人がぽろっと情報を漏らすことで、社会に与えるインパクトを慎重に観察しながら情報開示を行っていくという戦略とも考えられます。 オリジナルのインタビュー記事はヘブライ語で公開され、全文が英語に翻訳されて転載されています。気になる方はぜひチェックしてみてください。
ヘブライ語原文
https://www.yediot.co.il/articles/0,7340,L-5854241,00.html
英語翻訳版
https://www.welovefirstcontact.com/2020/12/head-of-israeli-space-program-aliens.html?utm_so urce=feedburner&utm_medium=email&utm_campaign=Feed%3A+WeLoveFirstContact+%28W e+Love+First+Contact%29
核設備とUFO現象の奇妙な一致
エイリアンが人類の側の目覚めを待っているとしても、ではなぜUFOが時折観測されるという事態が起こるのでしょうか? 存在を隠していたいなら、そもそも地球に来なければいいだけの話です。ところが実際には、ここ数十年で何万件を超えるUAPの観測事例が報告されています。 考えられる原因の一つは、「核の監視」です。人類による核兵器の使用は、宇宙から見てもはっきりわかる破壊行為です。当然、宇宙船に乗っているエイリアンが地球のそばを通っても、はっきりと観測できることでしょう。 UFOジャーナリズムの第一人者であるレスリー・キーンによると、1945年から1988年に至るまでの合計2400回超の核実験における爆発回数と、1947年以降に収集された約150件のUFO現象の目撃回数の間には、奇妙な一致が観測されるそうです。これは、UFOの出現が核の脅威と何かしらの関係を持っていることを示唆しています。 では何のために、核実験があるたびにUFOが現れるのか。考えられる理由の一つは、核による地球の危機を監視することで、それを未然に抑止するためではないかというものです。実際、 1967年3月にモンタナ州のマルムストローム空軍基地では、UFO接近に伴って20発近い核ミサイルが突然停止したことが報告されています。 これは先ほどご紹介したハシェド氏の発言ともリンクします。つまり、エイリアンたちは地球人を、あたかも子供をあやすかのように見守っているのだということです。もしエイリアンたちが地球に来ているとしたら、エイリアンと人類の間には原始人と人間、いやそれ以上の知性の開きがあるはずですから、このような態度に出るのも納得できるでしょう。
予想されるパニック:政治・経済・科学の混乱
ではもしエイリアンたちが、後先考えずに地球人の前に姿を現したとしたら、どんな現象が予想されるでしょうか? エシェド氏の言葉を引用します。「皆が大暴れするでしょう。そして、教会がガリレオやコペルニクスといった人々に対して行った異端審問のようなことが繰り返されるでしょう。」 現代を生きる我々は地動説を当然のこととして受け入れていますが、つい数百年前まで人類は地球が宇宙の中心であることを信じて疑いませんでした。それどころか、その信念を覆すような発見につながる研究を禁じ、違反するものがあれば容赦無く火炙りにしました。 では、もしエイリアンが来訪して、今までの人類が想像もしなかったような新しい宇宙のあり方を提示したらどうなるでしょうか? これまで自分たちが信じてきた宇宙観、科学の知識体系などが全てガラガラと崩壊することになるのですから、それを受け入れられない守旧派勢力は必ず彼らに対して新たな「異端審問」を始めるはずです。エイリアンたちにとっては、有無を言わせぬ圧倒的な技術力で持ってそれらの人々を黙らせることは簡単でしょうが、そんなことをすると人類が絶望してやる気を無くしてしまいます。 最近大ブームを巻き起こした中国のSF小説『三体』では、まさにそうした状況が描かれています。『三体』の冒頭では、今までの地球人が想定していた物理法則とあまりにもかけ離れた挙 動をする現象を見せつけられた科学者たちが、次々と絶望して自殺していきます。実際には、 それらのインパクトが公になった場合、科学者の自殺にとどまらず、株式市場の暴落、暴動の頻発、政治的機能不全などが噴出するでしょう。 1938年にオーソン・ウェルズが「火星人襲来」をラジオ放送しただけでも人々はパニックに陥ったのですから、もしそれが全世界的に報道されるようなことがあれば、どんなことが起きてもおかしくありません。ただでさえ不安定な世界情勢の中、不用意に人類の前に姿を現すことで紛争の種を撒くことはエイリアンの意志に反するか、あるいは「銀河連邦」のルールに違反するでしょう。
「人類の準備」が整うのはどんなとき?
では、人類がどのような状態になったら、エイリアンたちは姿を現すのでしょうか? 先ほど のエシェド氏の話から類推すれば、「エイリアンが出現してもパニックを起こさないような精 神状態になること」が最重要となるでしょう。そうなってくると、問題は科学技術というよりかは、人類に広く共有される「哲学」や「世界観」や「人間観」の部分になってくるかもしれません。 哲学の潮流として、ポストモダンの相対主義を超えて、マルクス・ガブリエルやカンタン・メイヤスーを筆頭とした「新実在論」が近年にわかに勢いを増しています。彼らの主張の基調に流れているのは、「現代の人間は人間を中心に世界像を構築しているが、実際にはこの宇宙の本当の姿というものははるかに人間を超えた様相を呈している可能性が高い」という思想です。こうした、「絶対的他者」に対して開かれた姿勢を持つ哲学の登場によって、UAP情報の解禁が起こっても受け入れられる土壌が整い、それがさらに今後数十年にわたって人々の間に浸透することで、エイリアン出現への地ならしが行われていると見ることも可能です。
エイリアンが地球人と関わりたがる本当の理由
最後に、そもそもなぜエイリアンたちは地球人と関わりたがるのでしょうか? 一説によれば、人類を家畜化したり、エネルギー源として搾取したりすることが目的だとも言われます。 しかし、エシェド氏によれば、銀河連邦に集ったエイリアンたちの目的は全く違うところにあります。 それは、「宇宙のファブリックの全てを理解するため」だとのこと。ここで、ファブリックと は、「繊維」「織物」を意味する英単語です。エシェド氏の説明によれば、人類の本体は肉体ではなく「意識」にあり、その個々の「意識」は全宇宙に存在する生命の全てを構成する繊維 の一つになっているそうなのです。だからこそ、エイリアンたちは、その繊維の全てを理解するために、今は原始人レベルの知性しか持たない人類に対して暖かい眼差しを注いでいるということ。 どうやら、エイリアンたちが見ている宇宙は、私たち人類が想定している弱肉強食の世界観とははるかにかけ離れた美しい調和に満ちたものであるようです。 次回の記事では、エイリアンによるアブダクションをテーマに、「なぜエイリアンは人々を攫うのか」について考察していきます。お楽しみに!