【宇宙ビジネス超入門~2024年号外ニュース④~】「中国の無人探査機、世界初となる月の裏側のサンプルリターン成功!」
はい、皆さん、こんにちは。Space Biz編集長の太田です。いかがお過ごしでしょうか。
宇宙ビジネス超入門者向けに、世界や日本で起こった宇宙ビジネスのトピックニュースを1つご紹介します。
号外ニュースになりますが、本日は「中国の無人探査機、世界初となる月の裏側のサンプルリターン成功!」についてお伝えします。
©国家航天局
6月25日に中国政府は無人月面探査機「嫦娥6号」が月の裏側からのサンプルリターンに世界で初めて成功したと発表しました。「嫦娥6号」は先月の5月3日に打ち上げられ、約1カ月後の6月2日に月の裏側の南極付近に着陸しました。その後、ロボットアームやドリルで土壌を採取し、帰還カプセルにサンプルを移したりする作業を行っていました。
月は常に同じ面を地球に向けていて、地球から月の裏側は見れませんし、電波も届かないため、直接の交信が出来ません。そのため、別の中継衛星を介する必要があるので、事前に打ち上げていたんです。このような理由から、月の裏側はとても難易度が高いと言われております。サンプルが入った帰還カプセルは、北京に運ばれ分析が実施されましたが、1935.3gのサンプル量を採取出来たようです。
月の裏側のサンプルリターンは世界初の快挙となります。中国は2019年に嫦娥4号で世界初となる月の裏側に無人探査機を着陸させ、2020年には嫦娥5号で月の表側のサンプルリターンに成功しています。
今後の計画として、2030年までに中国人宇宙飛行士による月面着陸、2035年までに科学研究用の月面基地となる研究ステーションを建設する方向で考えています。また、中国は月だけでなく、2030年頃に世界初の火星のサンプルリターンを目指しているので、日本が参加するアルテミス計画も前倒しで進めていきたいところですね。