【宇宙ビジネス超入門】2023年の動向(世界編)
はい、皆さん、こんにちは。Space Biz編集長の太田です。
いかがお過ごしでしょうか。
宇宙ビジネス超入門者向けに、宇宙ビジネス業界で2023年に世界で起こった私の気になるトピックニュースを3つご紹介しますね。
Relativity Space、世界初の3Dプリンターロケット打ち上げ
©️Relativity Space
3月下旬にRelativity Spaceは、米フロリダ州ケープカナベラル宇宙軍基地から世界初の3DプリンターロケットTerran1を打ち上げました。ただ、残念ながらロケットの1段目と2段目の切り離しは成功したのですが、2段目のエンジンに上手く点火せず、予定していた軌道には届きませんでした。
Terran1は全重量の85%が3Dプリンターで製造され、部品の数は従来の約100分の1で、製造期間も従来の約10倍のスピードとなっています。3Dプリンター,人工知能,自律型ロボットを融合させることで低コスト化に成功していますね。
Virgin Galactic、初の商業宇宙飛行(1席45万ドル)に成功
©Virgin Galactic
6月下旬にVirgin Galacticは米ニューメキシコ州から初の有料顧客を乗せ、地上と宇宙空間を往復する商業宇宙飛行(Galactic 01)に成功しました。今回はイタリア空軍とイタリア国立研究評議会の研究者を含む6人が乗り、微小重力環境下で宇宙放射線のデータ収集などの科学実験を実施しました。
8月以降も月1回の宇宙飛行を計画しており、民間人の宇宙旅行(Galactic 02)も8月に実施する予定です。最新の料金は1席45万ドル(従来1席25万ドル)で既に世界中から約800人が申し込んでいます。日本人も20人弱いるようです。
インドの無人月探査機、世界初となる月の南極付近に着陸成功
©インド宇宙研究機関(ISRO)
8月下旬に無人月探査機チャンドラヤーン3号は約40日間かけて月に到着したことになります。月面着陸に成功したのは、米国,旧ソ連,中国に次いで4カ国目となり、月の南極付近に着陸したのは世界初の快挙です。
月の南極付近は岩やクレーターなどが多く起伏が激しいので、着陸には高い精度が求められるんです。チャンドラヤーン3号は月面着陸する着陸機,月面走行する探査車,月の軌道投入を制御する推進モジュールの3つで構成されていて、約14日間にわたり月面の鉱物データの収集や水のもとになる氷の存在を調査する予定です。
まとめ
まとめとして、2023年は、
3Dプリンターロケットの現実味
米民間企業の新たな商業宇宙飛行成功
無人月探査機が月の南極付近に着陸成功
などがポイントになりそうです。
リンク
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